http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19370638?dopt=Abstract
コクランより。グルコースよりも米や小麦のようなポリマーベースの糖の方がよりよいORS。コレラでも、、、
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http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19370638?dopt=Abstract
コクランより。グルコースよりも米や小麦のようなポリマーベースの糖の方がよりよいORS。コレラでも、、、
投稿情報: 19:40 カテゴリー: journal club | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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Influence of vasopressor agent in septic shock mortality. Results from the Portuguese Community-Acquired Sepsis Study (SACiUCI study)*
Crit Care Med 2009 vol. 37 (2) pp. 410-416
ノルエピネフリンよりもドーパミンのほうがよかった?さらなるデータ必要。
Oral Sexual Behaviors Associated with Prevalent Oral Human Papillomavirus Infection
J Infect Dis 2009 vol. 199 (9) pp. 1263-1269
オーラルセックスと開口を伴うキスがHPV感染のリスク
投稿情報: 13:23 カテゴリー: journal club | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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が載っています。R0やCFRが計算されていて、参考になります。アブストラクトしか読めませんでしたが、、、
Pandemic Potential of a Strain of Influenza A (H1N1): Early Findings
http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/1176062
投稿情報: 11:21 カテゴリー: 新型インフルエンザ | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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The Lancet Infectious Diseasesはお気に入りの雑誌で毎号有用な総説が載っています。5月号は特に注目していたウイルス感染症の潜伏期間、トキシックショック、そしてStenotrophomonas multophiliaの特集です。なんと、著者には太田西ノ内病院の成田雅先生の名前が!私の中部病院時代の二年先輩で、スーパーマンのように優秀な憧れの存在でした、、、
とくに問題となる感受性試験の解釈と治療について、、、、
- in vitro 感受性試験は問題ありあり
- Both the British Society for Antimicrobial Chemotherapy (BSAC) とUS Clinical Laboratory Standards Institute (CLSI) はSTについては感受性のスタンダードを定めている。
- MIC 2 mg/L
- CLSIはticarcillin-clavulanic acid, ceftazidime, minocycline, levofloxacin, chloramphenicol,のブレイクポイントを定めている。
- しかし、Expert Rules (Antimicrobial Susceptibility Testing of the European Committee on Antimicrobial Susceptibility Testing)ではstenoはintrinsicにceftazidimeに耐性と考えている。
- モキシの感受性はlevoをみれば分かる。
- ESBLの判定にはS. maltophiliaについては様々な交絡因子があるので、専門家による判定が必要。
- BSACはStenoについて、ラボの感受性試験と臨床効果には相関があると指示するデータはない、と身も蓋もない勧告をしている。
- 複数併用によるシナジーもin vitroではあるが、シナジーをテストすること(たとえばcheckerboardやtime-kill curveを使うなど)の臨床的な意義はよく分からない。
-
- というわけで、治療についてはよく分からない。
- とりあえず、感受性のあるものから選んだ方がよいだろう。
- 難治例では、併用療法も考慮
- 単独ではco-trimoxazole(ST)が第一選択。静菌的。重症例ではPCPと同じ量を使った方がよい。15mg/kg/day
- STは末梢の単球からのTNFα産生を抑制するが、これが臨床的にどういう意味があるのかは分からない。
- 大抵のペニシリンやセフェム、そして全てのカルバペネムは使えない。β−ラクタマーゼ阻害薬を噛ませればOKかも。
- STが使えないときのセカンドチョイスは、in vitroから得られたデータを元に、ticarcillin clavulanic acid。面白いことに、これはstenoには静菌的
- aztreonam とclavulanic acid (2/1か1/1)もよい。ticarcillinを加えるとさらによい、ということはTimentinとアザクタムか。
- ceftazidime単独療法、cefoperazone, cefepimeにも報告あり。ただし、ceftazidimeとcefepime曝露そのものがsteno感染のリスクファクター。セフェムにβ−ラクタマーゼ阻害剤を入れてもダメみたい。
- シプロやlevoよりもclinafloxacin, gati, moxi, trovaのような新しいキノロンはよい。どのキノロンがベターかについては不明。耐性もおおい。
- minocycline, doxycyclineなどのテトラサイクリンやtigecycline(glycylcycline)もin vitroではよい。
- アミノグリコシドは大抵ダメ。
- polymyxinはOK.
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- STがダメなときは併用療法が推奨される。併用レジメンに決まりはないが、、、
投稿情報: 10:21 カテゴリー: 感染症 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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NEJMから、archeo-epidemiologyという観点から過去のパンデミックを疫学的に分析し現在の対策に光を当てる提言が為されています。この論文は興味深かったです。感染の「波」waveの問題や、実は過去のパンデミックでも地域によって死亡率など特徴が異なっていた、など、なるほど人間、過去から学ぶことはたくさんあるのだな、と感じさせました。以下は、訳文ではなく、サマリーです。
perspective H1N1 NEJM
- The Signature Features of Influenza Pandemics — Implications for Policy
- content.nejm.org—NEJMp0903906 <http://content.nejm.org/cgi/content/full/NEJMp0903906>
- Mark A. Miller, M.D., Cecile Viboud, Ph.D., Marta Balinska, Ph.D., and Lone Simonsen, Ph.D.
- Dr. Miller is the associate director for research, Dr. Viboud a staff scientist, and Dr. Balinska a research associate at the Fogarty International Center of the National Institutes of Health, Bethesda, MD. Dr. Simonsen is an adjunct professor and research director of the Department of Global Health, George Washington University School of Public Health and Health Services, Washington, DC.
This article (10.1056/NEJMp0903906) was published at NEJM.org on May 7, 2009. It will appear in the July 2 issue of the Journal.
- powered by OmniOutliner 3.8
-
- 過去のインフルエンザパンデミック、A/H1N1 1918-19, A/H2N2, 1957-63, A/H3N2 1968-70を考古疫学的(archeo-epidemiologic)に調査。
- 過去のパンデミックはウイルスサブタイプのシフト、若年者の高い死亡率、くり返しおきるパンデミックの波、季節性インフルエンザよりも高い感染力、そして地域によって異なるインパクトに特徴付けられる。最初の特徴のみが強調されるが、残り4つの特徴が鑑みられることは少ない。
-
- 別の可能性としては、免疫の強化(immune potentiation)がおき、これが特定の年齢層に高い死亡率をもたらしたのかもしれない。
- 2つ目の特徴は20世紀のパンデミックの特徴である。若い人が死にやすい。1873年のA/H1の曝露が45歳以上の成人に、1918年からのパンデミックに対する防御能を与えたのかも知れない。似たようなメカニズムで、1968−1970のパンデミックで77歳以上の死亡率が低かったことが説明できるのかも知れない。1892年のH3の抗体が残っていたのかも知れない。
- あるいは、ことなるキャリアをもつ細菌による二次感染の可能性もあるだろう。
-
- 3番目の特徴、流行の波は20世紀の3つ全てのパンデミックでおきている。死亡率も高まっていく。
- 1918年、最初の波はヨーロッパとアメリカで、相対的には死亡率は低かった。この波で部分免疫がつき、死亡率は下がったのかも知れない?。
- Andreasen V, Viboud C, Simonsen L. Epidemiologic characterization of the 1918 influenza pandemic summer wave in Copenhagen: implications for pandemic control strategies. J Infect Dis 2008;197:270-278.
- 1957年のA/H2パンデミックでは3つの波があったが、1959年と1962年の冬に死亡率は高まっていた。
- 1968−70では、ユーラシア大陸で最初に軽いインフルエンザが起き、その後の波で死亡率は高まっている。
- 何故波が起きるのか?ウイルスがホストに適応しているからか?地理的な理由か?季節の理由か?人の免疫によるのか?いずれにしても、次にくる波を予測させ、政策決定に価値を与えるかも知れない。
-
- 第4の特徴は感染力の強さ。免疫ができていないので、感染しやすい。これも過去のパンデミック全てに見られる特徴。再生産数(reproductive number)はある一人が平均何人に感染させるか、の数であるが、これはスタディーやパンデミックによってまちまちである。細菌の研究では、1918−19の初期の軽い波では、R0は2−5くらい、通常の季節性インフルエンザでは平均1.3である。現在のパンデミックコントロールではより低いR0を想定しており、これは楽観に過ぎる見方といえるかも知れない。
-
- 地域により発症率や死亡率がことなる、heterogeneityが大きいというのもパンデミックの特徴だ。これはその地域の免疫状態やインフルエンザの株、地理的な感染に与える影響、社会的な交流のあり方、気候などが影響しているのだろう。
-
- A/H5N1の鳥インフルエンザは30カ国以上に広がり、400人以上に感染し、case fatality rateは50%以上であるが、パンデミックの可能性については専門家の間で意見が一致していない。このくらい毒性が強いとホストに適応できないであろう。他の鳥のサブタイプもパンデミックの可能性があるだろう。鳥のウイルスは呼吸器細胞受容体へのトロピズムがヒトと鳥では違うのだが、突然変異がちまちまくり返されたり、遺伝子の並べ替えが、ほ乳類の媒介(mixing vessels)でおきれば、新しいタイプの感染力の強いウイルスになってしまうかもしれない。これが、現行のブタH1N1株でおきたのかも知れない。
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- ウイルスの毒性のみならず、どのくらいすばやくわれわれが予防法や治療法を開発できるかにも将来のパンデミックの死亡数は影響されるだろう。サイトカインストームが起きるまえに、抗ウイルス薬や肺炎球菌ワクチンによってこれらの影響を小さくできるかも知れない。
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- 波はくり返しおきてきたので、地球規模でアクティブなサーベイランスを行うのが重要である。国家間の協力も大事。ワクチンの開発や治療法もそうやって開発されていくだろう。次の波が来るまえにワクチンを開発すれば影響は小さくできるかも知れない。もし、1968年のA/H3N2が現れた翌年にワクチンができていれば、ヨーロッパやアジアの死亡のほとんどは防ぐことができたであろう。
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- パンデミックの年齢特異的死亡のパターンはワクチンの優先度に影響を与えるべきであろう。それは年齢に応じたワクチンの効果にも依存する。余命を考慮する、といった倫理的な議論も必要だろう。すでに高齢者には抗体が存在しているかも知れず、またその免疫反応は強くないかも知れず、小児はより感染力が強いかも知れない。若い人ほどワクチンのターゲットとすべきなのかも知れない。もし1918年のようなシナリオなら。
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- 医学的でない介入、人と人との距離をとること、social distancingはR0が2以下では有用である。しかし、過去のパンデミックではそれ以上だったのだ。
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投稿情報: 08:39 カテゴリー: 新型インフルエンザ | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (1)
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Triple-reassortant swine influenza A(H1)ってなに?という疑問を持ったので、読んだ論文。現行の問題とは直接はリンクしていないので、臨床的に意義の小さい部分ははしょりました。
triple-reassortant flu NEJM
- Triple-reassortant swine influenza A(H1) in humans in the United States, 2005-2009
- content.nejm.org—NEJMoa0903812 <http://content.nejm.org/cgi/content/full/NEJMoa0903812>
- powered by OmniOutliner 3.8
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- 鳥、ひと、ブタのtriple-reassortant swine influenza A(H1) virus(以下、岩田の独断でTRSIVと略す)は1990年代から北アメリカのブタ家畜で見つかっている。
- この報告は2005年から2009年2月までにおこったスポラディックな11例を報告するものである。
- 中央値は10歳(16ヶ月から48歳)、4人に基礎疾患。9人がブタの曝露。5人は直接接触、4人はさわらなかったがブタのいるところに行った。1例ではヒトヒト感染が疑われている。潜伏期は3−9日。熱が90%、咳が100%、頭痛が60% 、下痢が30% に起きている。白血球減少、リンパ球減少、血小板減少が見られることがあった。4人は入院し、2人が挿管を必要とした。4人はタミフルを処方。全員元気になった。
-
- もともとブタは鳥、ひとのインフルエンザウイルスを感染することが知られており、reassortmentの媒体となりうると考えられてきた。
- 1930ー90年代、ブタのブタインフルエンザウイルスは主に、古典的なH1N1であり、ほとんど変化がなかった。
- しかし、1990年代後半、H1N1, H3N2, H1N2のTRSIVが北アメリカのブタ家畜で主流となってきた。人や鳥のウイルスの断片も含まれていた。
- ブタの発熱の原因としてのインフルエンザは1931年から知られてきた。これは人の病気の原因として同定される3年前のことである。
- 1970年代から、ブタインフルエンザのヒト感染が報告されてきた。
- 世界的には50例以上の報告があり、たいていは古典的なSIVであった。ブタ関連の職業上の曝露が多かった。
- 古典的なSIV感染では7死亡例が報告されている。既往歴のないものも、妊娠など既往歴のあるものもいた。
- 症状は通常のインフルエンザと同じである。
- 持続するヒトヒト感染の報告は2009年4月まではなかった。
-
- 米国以外では、人のTRSIV感染の報告は二つある。
- 2005年以前、CDCは年間1−2例の古典的なSIVヒト感染の報告を受けていた。
- Emerg Infect Dis 2006;12:1132-1135
- J Clin Microbiol 2009 April 1 (Epub ahead of print).
- 2005年12月、CDCは米国初のTRSIV感染を見つけた。
- 2007年6月、動物由来を含む、新型インフルエンザAウイルス感染は届け出感染症と米国で定められた。
- 2005年12月以降、11例の報告があり、そのうち8例は2007年6月以降のものである。
- ちなみに、2007年以降このシステムで報告を受けたのは、TRSIV感染のみ、、、
-
- 報告やラボの詳細は省略、、、、
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- アブストラクト以外の情報
- 8人は18歳以下
- 7人は男性
- 全員、米国中西部あるいは南部に住んでいた。
- 36%は8月、9%は10月、18%は11月、18% は12月、そして9%(1例ずつ)は1月と2月に報告されている。
- 8例では、ブタにも症状があった。
- 潜伏期の中央値は3.5日(3−9日)
- 基礎疾患は、よくわからない免疫不全、湿疹
- 少なくとも3人は季節性インフルエンザのワクチン接種あり。
- 一人には結膜炎あり
- 体温の中央値は39.7度(38.5−40.4)
- 迅速検査陽性例もあり 詳細は不明、、、
-
- 挿管では、48歳の女性、喫煙、GERD、喘息、吸入ステロイドあり。気道からインフルと緑膿菌みつかる。19日の入院で元気に退院。タミフルは入院11日で使用。
- 他には、26歳既往歴なしの男性が、肺炎、敗血症で入院。挿管、低血圧、短期の昇圧剤使用あり。抗菌薬とタミフルで治療。タミフルは入院後19日目に使用。30日で退院。
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- ウイルスの属性としては、人のH1との交叉反応はなく、ワクチンは効かなそう
- タミフル、リレンザには感受性あり。
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投稿情報: 08:38 カテゴリー: 新型インフルエンザ | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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日本人患者が発生しました。報道を見る限りでは、国内流行の可能性は(今は)少ないようですね。
さて、
NEJMでH1N1特集をやっており、米国での疫学調査を報告しています。まとめてみたので(翻訳ではなく、サマリーです)、ご覧ください。図や表はきれいなので、原典をご覧ください。例によって固有名詞などの翻訳の厳密性は適当です、、、
これを見ると、米国でH1N1が同定されたのは、けっこう偶然の賜物だったようです。ただし、CDCやWHOに検体を送るプロトコルができていたり、ブタ用のプライマーがあらかじめ準備されていたなどの、普段の準備がしっかりしていたからとも言えます。その後の全国調査への動きも素早かった、、、、、フレミングがペニシリンを発見したように、偉大な発見は準備されたこころ(prepared mind)に訪れる、というところでしょうか。
サマリーなので、著作権は問題ないと思うけれど、NEJMさん、大事な情報なので許してね、、、
H1N1 NEJM powered by OmniOutliner 3.8
- Emergence of a novel swine-origin influenza A(H1N1) virus in humans
- content.nejm.org—NEJMoa0903810 <http://content.nejm.org/cgi/content/full/NEJMoa0903810>
-
- アブストラクト
- S-OIVが米国で同定されたのが、2009年の4月15日、17日。それぞれ異なる場所から。
- これはメキシコやカナダで見つかったのと同じもの
- この総論では人S-OIV感染642症例を叙述するものである。確定診断はCDCのRT-PCRで行われた。
- 4月15日から5月5日まで642症例が41の州で見つかっている。
- 年齢は3ヶ月から81歳。60%が18歳以下。
- 18%にメキシコの旅行歴。16%は学校でのアウトブレイク
- 94%に発熱、92%に咳、66%に咽頭痛。25%に下痢。25% に嘔吐。下痢か嘔吐は38%(これは季節性インフルよりおおい)
- 399人で入院の有無が確認され、そのうち39人(9%)が入院している。
- 22人の入院データがあり、12例では重症季節性インフルエンザの症状。11例で肺炎、8例でICUケア、4例で呼吸不全、2例は死亡。
-
- triple-reassortant swine influenza virusは人、ブタ、そして鳥のA型インフルエンザウイルスの遺伝子をもっている。
- このウイルスは1998年から米国のブタに見つかっており、2005年から2009年には人で12例が見つかっている。ただし、2009年にCDCが同定したのは過去のものとは異なる、新型。
-
- 3月30日、カリフォルニア、San Diego Countyで、喘息をもつ10歳の男の子が発症。4月1日に受診して治療を受けた。1週間で回復した。鼻咽頭検体から診断検査の臨床試験のために検体は用いられた。外部のラボで、人H1とH3陰性のA型インフルエンザとRT-PCRで同定された。4月15日、CDCはこの検体を受け取り、ブタ由来の新しいインフルエンザウイルスを同定した。同日、CDCはカリフォルニア州department of health(DOH)に連絡し、州と地域、動物保健担当者による疫学調査が開始された。このウイルスはtriple-reassortant swine influenza virusで北アメリカのブタ家畜に蔓延していると知られているものと同じ遺伝子を持っていた。2つの遺伝子はノイラミニダーゼとマトリックス蛋白をコードしており、ユーラシアの有症状のブタから得られた遺伝子によく似ていた。
- 3月28日、カリフォルニア、Imperial countyで9歳の女の子が発熱、咳をした。先の男の子とはなんの関係もない子であった。2日後、外来にいって、インフルエンザサーベイランス計画にこの子は参加することになった。鼻咽頭検体がここでとられた。アモキシシリン・クラブラン酸で治療され、そのままよくなった。この献体は海軍のHealth Research Center, San Diegoに送られ、サブタイプや同定の不可能なAインフルエンザウイルスが見つかった。その遺伝子は先の患者(patient 1)によく似ていた。4月17日、両症例はWHOに報告された。これはInternational Health Regulationsに則ったものであった。
-
- 疫学調査によると、両患者には最近のブタとの接触はなかった。プロトコルに則り、新型のS-OIV感染についてサーベイランスの強化が行われた。
- CDCは発熱患者についての推奨を発表した。その報告クライテリアは以下の通り
- S-OIV感染のあった地域に住んでいる、あるいはその旅行歴
- その地域で病人と接触した(発症7日以内)
- 疑ったら、鼻咽頭検体をとって、州や地域の保健担当者に報告すること。
- 州の公衆衛生担当のラボはサブタイプできないAインフルエンザを全てCDCに送るよう指示された。
- 米国では急性発熱性呼吸器疾患でS-OIVがRT=PCRか培養で同定されたものを症例定義とし、これを報告させた。
-
- CDCはRT-PCRで同定を開発しており、これは季節性H1,H3,とりH5,とBインフルエンザを同定できる。
- ブタインフルエンザA(H1,H3)を同定できるプライマーとプローブは最近開発され、これはブタインフルエンザのヒト感染を見つける目的であった。
- これらを活用して、今回のS-OIV同定アッセイも素早く開発された。
- 詳細は以下に
- www.who.int—CDCrealtimeRTPCRprotocol_20090428.pdf. <http://www.who.int/csr/resources/publications/swineflu/CDCrealtimeRTPCRprotocol_20090428.pdf.>
- 49のウイルスが13の州から培養された。これを遺伝子同定に用いた。
- 詳細は以下に
- content.nejm.org—DC1 <http://content.nejm.org/cgi/content/full/NEJMoa0903810/DC1>
-
- 学校でのアウトブレイクは、サウスカロライナ(7例)、デラウエア(22例)、テキサス(5例)、ニューヨーク(70例)で見つかった。
-
- 40%が10−18歳の間、51歳以上はわずか5%。
- 入院患者は19ヶ月から51歳。18%が5歳以下。1患者は妊婦。41%に慢性基礎疾患。自己免疫性疾患で免疫抑制剤を飲んでいたり、ダウン症で先天性心疾患があったり、喘息、RA、感染、重症筋無力症、VSD、えん下障害、慢性低酸素血症など。入院患者では32%にメキシコの最近の旅行歴。50% (11例)で肺炎、1例で縦隔気腫、1例で壊死性肺炎、1例で膿胸あり、ドレナージ。ただし、培養は陰性。8例がICU,、4例は挿管。14例(74%)はタミフルを処方されている。
- 5月5日までに、22例(82%)は全快。
- 22ヶ月の重症筋無力症のこと、33歳の妊婦が死亡。23ヶ月と30歳女性で既往歴なしが、いまだに重篤な状態。
-
- ウイルス
-
- 6つの遺伝子のセグメントはPB2, PB1, PA, HA, NP, NSは以前から知られていたtriple-reassortant swine influenzaと同じ。これは北アメリカのもの。
- NAとMたんぱくはユーラシアにあるブタのインフルエンザAに似ている。ここが、以前とのちがい。図3にきれいにちがいが比較されている。
- 37のウイルスではおそらくタミフル、リレンザに感受性あり。ただし、臨床効果は現段階では不明。でも、CDCはいまのところ使用を推奨。FDAは1歳以下の使用を緊急承認した。
-
- なぜ若い人に多いか、の議論
- 感受性のちがい?
- 社会構造のちがい
- 高齢者ではもっとあとになって感染?
- 以前からのS=OIVからの交差防御?これは1976年のブタインフルエンザワクチンの血清学的スタディーから示唆されている。
- バイアス?若い人でより検査?
- 確定例は過小評価?
投稿情報: 08:37 カテゴリー: 新型インフルエンザ | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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ランセットのGVHDのまとめです。よく見るのに、あまりまとめて勉強してきませんでした。それにしても、OmniOutlinerを使うようになってこのようなサマリーの作成時間が激減です。助かってます。
GVHD
- Lancet 2009;373:1550-61
-
- 造血細胞移植(HCT)の合併症としてGVHDは有名
- HCTは年間25000例行われている。
- graft versus tumor, graft versus leukemia effectにより悪性疾患は治療される。
- ドナーの白血球注入と骨髄を破壊しない(non-myeloablative)は状況、臍帯血移植を行うことで、ここ数年で同種HCTの適応は広がった。特に高齢者に広がった。
- 感染症の予防、サポーティブケア、DNAに基づく組織のタイピングもアウトカムを向上させている。
- それでも、GVHDは問題だ。
- この5年間で、血縁関係のないドナーの移植は倍増するだろう。つまり、GVHDも増えるということだ。
-
- 50年前、BillinghamはGVHD成立に必要な3つの条件を挙げた。
- 1.グラフトに機能している免疫細胞がある。
- 2.レシピエントが組織抗原を発現しており、それは移植ドナー側にはない
- 3.移植細胞を除去する能力が患者にない。
- 免疫細胞は、今ではT細胞だと分かっている。T細胞が含まれている組織を除去できないときに、GVHDがおきる可能性がある。免疫抑制がある場合に特にリスクは高い。
-
- ホストのタンパク質にドナーのT細胞が反応するとき、GVHDがおきる。
- 特に重要なたんぱくは、人白血球抗原HLA。これをコードするのがMHC
- クラスI HLA(A,B,C)は遊郭細胞のほとんどで発現される。
- クラスII(DR, DQ, DP)は造血細胞(B細胞、樹状細胞、単球)で発現されるが、炎症や外傷があると他の細胞でも誘導される。
- 急性GVHDの頻度は、HLA蛋白のミスマッチの程度と直接相関している。
- だから、ドナーとレシピエントは、HLA A,,B,C,DRB1をマッチさせておいた方がよい(これを8/8マッチと呼ぶ)。しかし、臍帯血移植ではこのミスマッチは寛容される。
- にもかかわらず、HLAをマッチさせた移植でも40%程度で急性GVHDを発症し、高容量のステロイドを必要とする。
- これはHLA以外の遺伝子のちがいによるものだ。minor histocompatibility antigenと呼ばれる。この抗原のうち、HYやHA-3はほとんどの組織で発現され、GVHDやgraft versus leukemiaのターゲットとなる。HA-1やHA-2は造血細胞(白血病細胞含む)で多く、graft versus leukemia effectを高め、GVHDを減少させることが可能になるかも知れない。
- GVHDのリスクファクターにはサイトカインの多様性があり、これが古典的なサイトカインストームに関与している。TNFα、IL10、IFNγがいくつかのスタディーでは関与している、とされた。innate immunityを司るたんぱくの多様性、例えば、nucleotide oligomerisation domain 2とかkeratin 18受容体も関与している。ドナーの最適化にはHLAとHLA以外、両方の遺伝子の因子が重要なのだ。
-
- 臨床症状
- 急性GVHDは移植100日以内、慢性GVHDはそれ以降と定義されてきた。
- で、最近ではNIHの定義でlate-onset acute GVHDを100日後に設定し、overlap syndromeというacute, chronic両者の性格を持つものも規定している。
- 急性GVHDに多いのは皮膚、消化器、そして肝の症状である。
- maculopapular rash
- 悪心、嘔吐、食欲不振、水溶性下痢、強い腹痛、血便、イレウス
- 高ビリルビン血症
- 皮膚所見がいちばん頻度が高い。かゆい。水疱や潰瘍を作ることもある。病理的にはepidermal rete pegsのアポトーシスが見られる(?)。dyskeratosis, exocytosis of lymphocytes, satellite lymphocytesがdyskeratotic epidermal kerainocytesの側に、血管周囲のリンパ球浸潤も真皮に見られる。
- 腹部では下痢、嘔気、嘔吐、腹痛など。分泌性の下痢で1日2l以上になる大量の水様便。血便は予後不良因子で、潰瘍形成に伴う。画像では内腔の拡張や腸牆壁の肥厚があり、ribbon signと呼ばれる所見がCTで見られる。air fluid levelがあればイレウスを考える。crypts のそこにアポトーシスがあったり、膿瘍があったり、表面上皮の平坦化や損失があったりする。
- 肝機能異常は、veno-occlusive disease(VOD)や薬剤性、ウイルス感染、敗血症、iron overloadとの区別が困難である。病理ではendothelialitis, リンパ球浸潤を門脈周辺に、胆管周囲炎、胆管破壊が認められる。肝生検は、血小板減少があったりして滅多に行われない。GVHDは除外診断になるのだ。
- 重症度はIからIVまで、mild, moderate, severe, very severeと呼ばれる。IIIでは5年生存率が25%、IVだと5%。
- 完全にHLAがマッチしていてもGVHDは35−45%で発症。ミスマッチが一つあれば60−80%。臍帯血であればリスクは減る。35−65%、、、、
- 慢性GVHDは再発の次に死亡に関与している。
- 急性GVHDが慢性化する進行性(progressive)、急性は治って、その後に発症する慢性型(quiescent)あるいは急性抜きで発症するde novoの3種類がある。
- リスクファクターは急性GVHDの既往と、年齢
- だから、急性GVHDを予防するのは慢性GVHDの予防に有用。
- 症状は自己免疫性疾患みたい、、、
- 皮膚の色素剥奪、脱毛、多形皮膚萎縮症、扁平苔癬、強皮症
- 爪の破壊
- 口腔内潰瘍や硬化による開口制限、扁平苔癬様の病変、口腔乾燥
- ドライアイ、シッカ症候群、結膜炎
- 筋膜炎、筋炎、関節拘縮など
- 膣硬化、潰瘍
- 食欲不振、体重減少、食道ウェブ、狭窄
- 黄疸、トランスアミナーゼ上昇
- 閉塞性、拘束性障害。閉塞性細気管支炎、胸水
- ネフローゼ症候群(まれ)
- 心外膜炎
- 血小板減少、貧血、白血球減少
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- pathophysiology
- 読んだけど、書くのは大変なので省略、、、
- ホストの組織障害、APC活性がドナーのT細胞を刺戟、Th1がCD4細胞、CD8細胞のCTLを介してTNFαやIL1をだし、ターゲット細胞の炎症やアポトーシスを促す。IFNγを介してマクロファージを経由するパスウェイも、、、
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- 予防
- むずかしい
- GVHDを予防しようとすると、グラフト不全や原疾患再発、感染症、EBV関連リンパ増殖性疾患のリスクを高めてしまう。
- partial T-cell depletionはまだ研究段階。
- 抗CD54モノクロナル抗体alemtuzumab。GVHDは減ったが再発と感染症が増えた、、、生存率に差はなし、、、
- ex-vivo antibodyでドナーtT細胞のアナジーを誘導する方法。追試がない、、、
- in vivoで抗T細胞抗体を投与するスタディーも。副作用がおおい。rabbit anti-thymocyte globulinはGVHDは減らしたが、生存率には差が出なかった。
- 細胞内酵素のcalcineurinを阻害するcyclosporineやtacrolimus。副作用は、低マグネシウム血症、高K血症、高血圧、腎毒性。microangiopathyや神経毒性も。microangiopathyがおきるとあまり血漿交換に反応せず、死亡率は高い。posterior reversible encephalopathy syndromeもcalcineurin inhibitor投与で1−2% におきる。2,4ヶ月後に投与量を減らすと副作用も減る。
- 通常、calcineurin inhibitorはメソトレキセートなど他の免疫抑制剤と共に使う。これが好中球減少や粘膜障害の原因となるため、mycophenolate mofetilを代わりに使うことも。こっちのほうが同じ予防効果で副作用は少ないかも。
- sirolimusはtacrolimusに似ているが、calcineurinは阻害しない。tacrolimusと併用すると効果が大きい。ただし、thrombotic microangiopathyが問題。
- reduced-intensity conditioningは、免疫抑制を通じて、ドナーT細胞がうまく生着し、リンパ球系の造血を抑えることを目的としている。従って、myeloablativeという言葉はちょっと間違い。炎症を促すサイトカインは減り、GVHDが減り、急性GVHDオンセットも遅れるかも。ただし、慢性GVHDの発症に急性がかぶる、overlap syndromeはおきるかも知れない。
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- 治療 急性
- ステロイド。
- grade Iでは局所のステロイド
- 重症度が増せばステロイドも増やす。
- ただし、ステロイドで反応するのは半分以下。重症では治りにくい。
- anti-thymocyte globulinの併用で反応は増えなかった。この効果は限定的か
- mesenchymal stromal cellsの点滴(ドナーや第三者からもらって培養)はいいかも。ステロイド抵抗性GVHDの55%で反応あり。
- たいがいphotopheresis。白血球をたいがいに集め、DNA-intercaating agent 8-methoxypsoralenと一緒にインキュベートし、紫外線に当てる。細胞のアポトーシスを促し、抗炎症作用が強く、固形臓器移植の拒絶予防に有効である。RCT待ち。
- TNFαブロック。TNFαはAPCを活性化させる。etenerceptはステロイドと併用して、急性GVHDの70% に効果あり。
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- 治療 慢性
- よく分からない
- ステロイド?
- ステロイド±calcineurin inhibitorのRCTでは差なし
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- 合併症
- 細菌感染、真菌感染、ウイルス感染、薬の副作用など数多い。graft failureも。
- フルコナゾールなど真菌予防を
- PCP予防も。
- CMVpreemptive treatmetnも考慮
- 帯状疱疹
- ケアするものにワクチンを
- IgG2, G4欠損があるので、施設によっては免疫グロブリンが投与されることもある。
- カテ感染に注意
- ステロイドの副作用も注意。
- calcineurin inhibitorの腎不全を考え、経口で水分励行を
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- 将来
- GVHDのバイオマーカーが見つかれば、preemptive txも?
投稿情報: 15:28 カテゴリー: journal club | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (1)
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すでに英国のガイドラインは紹介したのですが、
エキスパートコンセンサスなるものができてます。血栓止血誌20(1):77-113, 2009
ウェブでちょっと探したのですが、閲覧できず。将来的には公開予定らしい。
www.jsth.org
でも、正直言って、これを読んでもどうしてよいのかよく分からないなあ、というのが正直な感想です。ずいぶんと変な内容でした。
さらに、メディカル朝日に製薬メーカーのスポンサーつきで記事が載っていて、こちらはさらにへんてこな内容です。ものすごく、変な内容です。
メディカル朝日 2009年5月号 28−29
「DICおよびその基礎疾患となる敗血症は生死にかかわる病態で、医療倫理的にもRCTには馴染まない。従って、エビデンスが乏しいということになる」
と書いてあるのに、
「DICおよびその基礎疾患である敗血症はATIIIなどの薬物療法の進歩で、予後の改善が期待できるようになっている」
なーんて書いてあります。どうなってるの?こういう露骨なのは、やめてほしいなあ、もう。
緊急性が高くて死亡率が高い疾患でも、心筋梗塞のようにいくらでもRCTが行われている疾患はあります。日本独自の事情はさておき、国際的にまったくエビデンスがないことを、それを理由にするのは解せないですね。
いずれにしても、大切なのはまっとうな情報開示であってエビデンスの質はその次です。健全なlimitation, concessionが説得力を高めてくれるのです。それを欠いていると、よけいに萎えてしまうのでした。
投稿情報: 11:45 カテゴリー: 感染症 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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Polymerase chain reaction of secA1 on sputum or oral wash samples for the diagnosis of pulmonary tuberculosis
19207077
口ですすいで、結核診断できるか?というもの。リソースプアな場所なら使えるか、、、
Impact of continuous venovenous hemofiltration on organ failure during the early phase of severe sepsis: a randomized controlled trial
19237881
重症敗血症・敗血症性ショックで腎機能正常なのにCHDFまわしても意味ない、どころかむしろ有害、、、これは知っておいて良い、、、
CMV quantitative PCR in the diagnosis of CMV disease in patients with HIV-infection - a retrospective autopsy based study
17986346
CMVの定量PCRは診断に使えるか???特異度は高いかも、とくにタイターが大きいか繰り返して陽性なら、、ただし、死亡例ばかりが対象で、applicabilityが、、、、
投稿情報: 11:32 カテゴリー: journal club | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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