すでに英国のガイドラインは紹介したのですが、
エキスパートコンセンサスなるものができてます。血栓止血誌20(1):77-113, 2009
ウェブでちょっと探したのですが、閲覧できず。将来的には公開予定らしい。
www.jsth.org
でも、正直言って、これを読んでもどうしてよいのかよく分からないなあ、というのが正直な感想です。ずいぶんと変な内容でした。
さらに、メディカル朝日に製薬メーカーのスポンサーつきで記事が載っていて、こちらはさらにへんてこな内容です。ものすごく、変な内容です。
メディカル朝日 2009年5月号 28−29
「DICおよびその基礎疾患となる敗血症は生死にかかわる病態で、医療倫理的にもRCTには馴染まない。従って、エビデンスが乏しいということになる」
と書いてあるのに、
「DICおよびその基礎疾患である敗血症はATIIIなどの薬物療法の進歩で、予後の改善が期待できるようになっている」
なーんて書いてあります。どうなってるの?こういう露骨なのは、やめてほしいなあ、もう。
緊急性が高くて死亡率が高い疾患でも、心筋梗塞のようにいくらでもRCTが行われている疾患はあります。日本独自の事情はさておき、国際的にまったくエビデンスがないことを、それを理由にするのは解せないですね。
いずれにしても、大切なのはまっとうな情報開示であってエビデンスの質はその次です。健全なlimitation, concessionが説得力を高めてくれるのです。それを欠いていると、よけいに萎えてしまうのでした。
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