SLE
・SLEのM&Mの30−50%は感染症による。
・補体が足りないので、肺炎球菌、髄膜炎菌、痳菌感染症のリスクが高い。
・SLEのmannose binding protein (MBL)の欠損を合併していると、貪食作用が低下して肺炎球菌などを起こしやすい。
・SLEではPMNも異常である。単球やマクロファージも異常なんだそうな。Fcγレセプターに対する自己抗体のためらしい。TNFαの産生も減少している。T細胞数や機能もフレアの時は低下している。細胞内微生物にやられやすい。もちろん、ステロイドもそれに寄与する。
・SLEがあると、脾機能も低下している。
・SLE disease activity index (SLEDAI)が感染のリスクとパラレルで、独立危険因子。ただし、異論もある。
・ステロイド、アザチオプリン(イムラン)、cyclophosphamide(エンドキサン)はどちらもリスク。白血球3000以下は特に要注意。mycophenolate mofetil(セルセプト)はまだまし。日本ではセルセプトはCTDには使わないんでしたっけ、、、
・血漿交換をすると、B細胞、T細胞、免疫グロブリンの機能が落ちるので感染を起こしやすい。透析も感染を増やします。
・途上国のSLE死亡率は半分以上が感染症
・先進国でも深刻。死亡率の20−50%以上は感染症。でも5年生存率は90%台と、悪くはない。
・頻度的には細菌感染症が多い。皮膚、呼吸器、尿路などコモンなもの。黄色ブドウ球菌、肺炎球菌などが多い。リステリアはまれだが、ステロイドなど使っていると起きる。(TNF阻害薬も問題、、、by 岩田)。
・大腸菌などグラム陰性菌も問題。特に問題はサルモネラ菌血症。骨盤アクチノマイコーシス、ノカルジア感染も。CNS病変があると予後が悪い。
・抗酸菌感染症も問題。岩田は最近、結核性髄膜炎とLupus髄膜炎の区別で逡巡した。always think of TB if the patient is human.
・ウイルスで多いのは帯状疱疹。全身性も。
・CMVで問題なのは、肺炎と脳炎。
・カビで多いのはカンジダとPCP。次いでクリプトコッカス。播種性Cladophialophora bantiana感染の報告も。
・寄生虫だと、やはり怖いのが播種性糞線虫。内臓リーシュマニアも。
強皮症
・食道病変があると、誤嚥性肺炎が多い。
・肺病変があっても肺炎を起こしやすい。
・Raynaudがあると、そこに二次感染も。
・強皮症の死亡の2割程度が肺病変による。その多くは感染症がからんでいる。
・CMV感染、S. lugdunensis感染の報告も。
・group G streptによるpyomyositisに注意。
・kansasii, MACなどの抗酸菌感染も
・日本では、食道病変の原因としてピロリ菌が提唱されることもあるが、未確認。
PM・DM
・やはり咽頭病変、食道病変があると誤嚥性肺炎を起こしやすい。ミオパチーそのものが呼吸機能、気道からの排出機能を低下させ、肺炎を起こしやすくする。
・皮膚石灰化によりぶどう球菌感染が起きやすくなる。
・死亡に寄与するのは、ガンか肺病変が多い。
Alarcon GS. Infections in systemic connective tissue diseases: systemic lupus erythematosus, scleroderma, and polymyositis/dermatomyositis. Infect Dis Clin N Am;2006:849-875より
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