・膠原病が原因でFUOというのはまれ。
・1961年にPetersdorfが古典的なFUOを記載したとき、感染症が原因として最も多く、次いで悪性疾患、で次が膠原病だった。しかし、血清学的検査によってほとんどの膠原病は診断できるようになり、相対的には原因となりにくくなってしまったのだ。例えば、RAやSLEがFUOの原因になることはまれである。
・逆に、簡単な検査では診断できないものがFUOとなる可能性がある。例えば、菊池病、高安血管炎、PAN、AJRA(成人Still病)などである。
・SLEがFUOとなるときは、難しい。特に症状がないとき、これを疑わなければ検査しないかもしれない。
・CMV感染がSLEのフレアを起こすことがある。
・サルコイドーシスも診断が難しいことがある。熱としては3形あり、uveoparotid fever (ぶどう膜耳下腺熱、Heerfordt's syndrome)、肉芽腫性肝炎、それに髄膜炎である。髄膜炎は脳底部に起き、前視床下部にある熱調節中枢に影響を与える。これらを除外した場合、サルコイドーシスと熱がある場合は二つの可能性を考える。サルコイドーシスという診断が間違っており、サルコイドーシスっぽい別の病気があることと、サルコイドーシスに感染症が合併している場合である。例えば、サルコイドーシスに胸水がたまっていれば、結核性胸膜炎の合併を考える。
・サルコイドーシスにB細胞リンパ腫が合併する、サルコイドーシス・リンパ腫症候群がある。CLLを起こすこともある(Richter's transformation)
不明熱の時は、、、
・Stillで、band keratopathyに注意。他に、ドライアイ、PANのwatery eye、SLEの結膜炎やぶどう膜炎に注意。
・リンパ節腫脹は、SLEか菊池病を考える。
・脾腫は、菊池病を考える。
・精巣上体炎・精巣炎はPANを考える
・関節炎は、late onset RAやSLEを考える。
コモン
Still、JRA、PMR、GCA(TA)
少ない
late onset RA、PAN、SLE
まれ
Sjogren、FMF,Behcet(日本では多いか)、偽痛風、高安、菊池(これも日本ではわりとコモンな疾患だが、確かに不明熱になるかというと、、、)
・白血球が下がるときはSLEと菊池病を考える
・単球血症があればSLE,PAN,TAを考える。
・好酸球が上がっていればPANを考える。
・リンパ球低下があればSLEを考える
・血小板上昇があればPANを考える。
ESR100以上では、
・Still、SLE、PMR/TA、PAN、LORA、FMF、菊池、高安、、、あんま役に立たないか。
肝機能異常
・PANではアルフォス
・トランスアミラーゼ、菊池とStill
polyclonal gammopathy
・PANと高安
腎不全
・PANとSLE
フェリチン
・Still,そしてSLE!!あとはMDS、リンパ腫、固形がん、TAなども
高齢者、熱、体幹中心の筋肉痛、でも筋力低下はない、、、PMR!(他にCPK上がらないなども)。頭痛があればTAを考える。側頭動脈に圧痛がないこともある。側頭動脈から出ている眼動脈が失明の原因となることもあるのでそのときは即行ステロイド。空咳が出ることがある、、、、食欲不振、体重減少、盗汗がみられることも。噛みかみするとあごが痛い、、、検査はみんな非特異的。アルファ1,2グロブリンがFUOで上がっていれば、TAかリンパ腫を考えること、、だって。
感染症屋ならだれでも大好きだが、診断にはあまり使えないdouble quotidian fever
・Still, 右側の淋菌性心内膜炎(みたことない。青木先生も喜舎場先生も診たことがないとおっしゃっていたから、いいか)、混合マラリア(これは最近よくみられる)、そしてカラ・アザール。
Stillではサーモンピンクの皮疹やKoebner現象が有名。
血管炎。これは難しいことが多い。
・拍動が消えたら、高安を考える。CBCは非特異的、好酸球が「ない」のが特徴。
BA Cunha Fever of Unknown Origin. Informa 2007より
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