以下の論文のネタバレです。読んでいない方は気をつけてください。
keeping an open mind. NEJM 2009;360:72-6
髄膜炎の診断で特に難しいのが結核性髄膜炎とクリプトコッカス髄膜炎だと思います。前者は特に難問で、髄液の塗抹、培養、PCR、ADA、画像所見、そして臨床所見や病歴すら、「これならば結核性髄膜炎でない」と断言させるには不十分です。
一方、クリプトコッカス髄膜炎は、病歴でかなり絞ることが出来、ほぼ全例エイズか免疫抑制剤、特にステロイドを使用しています。臓器移植患者でも多く、免疫抑制剤の多い心移植患者では特にリスクが高いそうです。
で、その検査ですが、墨汁染色(インディアインクも)の塗抹検査は感度は高くありません。では、クリプトコッカス抗原検査は?これは感度は高いですが、やはり偽陰性が6%程度まではあるそうです。菌量が少なかったり、発症初期だったり、莢膜が発達していなかったり、プロゾーン現象が起きているとそういうことが起きるのだとか。
No test is 100% sensitive.
が教訓です。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。