今日は、西宮市で日本外来小児科学会教育検討会 実習指導者研修会でお話しします。
タイトルは、
「感染症を教えるパラダイム 何を教えるかから、どう教えるか。whatからwhyに」
というものです。
卒前、卒後の感染症教育が不十分であると言われて久しいですが、どうしたらよいのでしょう。感染症の知識は増え続け、青木先生のマニュアルは倍増し、そのくせ教える時間は短くなる一方です。微生物学は学生にもっとも人気のない科目で、短い時間で増えた項目を無理矢理詰め込もうとするとますます人気がなくなります。どうしたらよいのでしょう。
そこで、何を教えるかだけでなく、どう教えるか、を考えたいです。コンテンツだけではなく、デリバリーも大事、と言うわけです。
臨床現場では問題意識をもって問題の定式化が重要です。しかし、知識だけ詰め込まれて、「○○だったら何とか病」「○○病には××マイシン」という1対1対応で覚えさせられた学生は、現場に出てコンテクスチャルな患者にとまどいます。曖昧さに悩みます。デジタルでない世界にいらだちます。どうしたらよいのでしょう。答えはwhatではなく、whyという疑問のなかにあると思います。
講演会で紹介する、指導医のための感染症の教科書です。他にもあるかもしれませんが。
・お奨めは、ハリソン。ここの感染症の項は本当に勉強になる。
・マンデルは非専門家にはあまり必要ない。
・サンフォードは必須。英語、日本語ありますよ。
・青木眞先生の「マニュアル」は、無人島に一冊だけ持って行け、と言われたら選ぶ一冊(もっとも無人島では役に立たんが、、、)
・藤本卓司先生の感染症レジデントマニュアル、西原先生の「一刀両断」、大野先生の「レクチャーノーツ」は病院で学ぶのなら定番。
・体系的に学ぶなら30デイズ(感染症スタンダードマニュアル)
・予防接種ならRブック
・感染症診療のエビデンスは我田引水ながらよくできた本。臨床的な疑問に答えてくれます。
・小児抗菌薬マニュアル(笠井先生)はいい本です。
・私の本は、もちろん買って読んでね(せこい!)。
・もやしもんは面白い!
・ケアネットDVDもどうぞ!
講演会というか、宣伝会だな、これじゃ。暑いですが、がんばりましょう。
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