佐野洋子 「役に立たない日々」
ほんとうに面白いです。まあ、とにかく読んでください。
Robert B. Parkerは昔からお気に入りですが、とくに今はJesse Stone seriesにはまっています。たまたま駅の本屋でペーパーバックを見つけたので衝動買い
ペーパーバックで読むには読みやすい英語レベルで内容も面白いのが条件になりますが、僕の英語力だとこれくらいがちょうどいいです。シンプルで短い英語。でも、とても美しい。例えば、こんな風に。
Crow liked to be with women. And the women didn't need to be perfect. He liked to look at women. He thought about them sexually. Just as he liked to be with them sexually. But he thought about them in many other ways as well. He liked the way they moved, the way they were always aware of their hair. He liked the way they were with the children. He liked the thought they gave to their clothes, even at the beach. He liked how most of them found a way to keep a towel or something around their waists when they were in bathing suits. In health clubs, he noticed they did the same thing in workout tights. It always amused him. They wore revealing clothes for a reason, and covered the clothes with towels for a reason. Crow had never been able to figure out the reasons.
Ambivalence?
He'd asked sometimes but had never gotten an answer that made sense to him. He didn't mind. Part of what he liked in women was the uncertainty that they created. There was always a sense of puzzlement, of tension. Tension was much better than boredom.
Crow's phone rang. He smiled and nodded his head.
"Bingo," he said.
マリファナをjointというのを初めて知りました。あと、使えなかったadroitという単語の使い方も知りました。
投稿情報: 12:06 カテゴリー: 本、映画、その他 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
リブログ
(0)
| |
|
|
|
今日、明日と不明熱と対峙するための仕事です。なかなかに面白いです。不明熱はコモンな現象ですが、その原因はけっこうアンコモンなので、通俗的な臨床アプローチが通用しづらいのが特徴です。これを集中して勉強し、なんとかアプローチの道筋を見つけ出し、まとめてみようと、、、さて。
これだけつながりのない本をよくまとめて読むものだと、我ながらあきれます。この間、週刊モーニングとJohns Hopkins Internal Medicine Board Review 2009-2009を同時進行で、、、、後者はやはり青木先生のマニュアル同様、の体裁。こういうのをlearner-efficient bulleted textと呼ぶのだそうです。1日10ページくらいで、無理のでない程度に読みます。昨日は糖尿病。本日は心内膜炎。ページも領域も決めず、節操なく秩序なく読むのが楽しいです。Giant Killing, シマシマ、かぶく者と面白いマンガが詰まったモーニングもはまって呼んでいます。そして、ついにシラスが、、、、
投稿情報: 09:30 カテゴリー: 本、映画、その他 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
リブログ
(0)
| |
|
|
|
漢方診療を学び始めたのは学生の時。出雲市の阿部勝利先生という方のところに土曜日の昼に行くと、お昼ご飯が振る舞われて、漢方診療の基本的なレクチャーを受けることができました。当時うつ病を患っていた僕は、そこで煎じ薬ももらって飲んでいました。たしか、香蘇散だったかな。その阿部先生もだいぶん前にお亡くなりになってしまいました。
学生のころは、患者さんを診ていないので、「証」のイメージができません。そのまま、なんだかよくわからないお題目だなあ、ということで忘却の彼方に消え去っていきました。
その後は、系統的な漢方の勉強はまったく止めてしまって、即物的に花輪壽彦先生の「漢方診療のレッスン」を「マニュアル」代わりにして、患者さんの症状に合わせて薬を出したりしていました。かぜに葛根湯、咳に小青竜湯、むくみに防已黄耆湯、、、みたいな。
ところが、大学病院の外来を持つようになって、あちこちの医療機関にかかってもなかなかよくならない、という「いわゆる」不定愁訴的な感じでおいでになる患者さんが増えてきました。症状が複雑で、生半可な勉強ではとても太刀打ちできない、と反省した僕は、もう一度漢方を系統的に勉強し直すことにしました。
で、読んだのが「はじめての漢方診療十五話」です。これはJIMに連載されていたもので、良い意味で同じはなしが何度も繰り返されて、とてもよい勉強になりました。学生の時はぴんと来なかった陰陽、虚実、気血水が割と具体的にイメージできるようになってきました。今日から、活用できるといいです、、、、、また、これを機会に勉強し直したい、と思いました。
投稿情報: 08:52 カテゴリー: 本、映画、その他 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
リブログ
(0)
| |
|
|
|
分かりにくいレヴィナスとラカンを、そのわからなさそのものがもたらしている効果から切り出しています。大抵、本は読み進めるとだれてくるものですが、この本は先に進めば進むほどエキサイティングな展開になっており、その点は内田作品群でも出色の出来だと思いました。
うーん、消化不良な感じが、、、、些細な引用と議論の積み重ねをしていたのに、いきなり逆ギレされてちゃぶ台をひっくり返された感じ、、、、かな。
こちらは非常にエキサイティングな本でした。前にも一回読んでいたのですが、もう一度読み直すと気がつくところがたくさんありました。卑近な下世話な例ばかりなのに、心を打つのが不思議。
ザ・マインドマップ 超入門
マインドマップそのものは面白いし、グラム染色による細菌の分類などはこれでいけるかな、と前から思っていました。ただ、「正当性」を主張し出すとどうかなあ、と言う感じです。科学的な理論に裏付けられた、というまるで「NASAで開発されたお絵かき帳」みたいです。そして、オールマイティー性、ルール通りにやらねば「本物」authenticと認めない狭量さ。「正しい鉛筆の使い方」を講釈されても、、、
すくなくとも、マインドマップのお陰でコミュニケーションがうまくいったりはしないだろうなあ、、、二項対立は質の高いコミュニケーションから一番遠いものですし、「大文字の他者」もいないしねえ、、、、
投稿情報: 11:48 カテゴリー: 本、映画、その他 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
リブログ
(0)
| |
|
|
|
CBTは難しいし、素人が手を出す危険性もあるので、ちょっと勉強したあとは手が出せないでいました。しかし、そうも言っていられない部分も出てきたので、どこまで実践可能か模索中です。まずは患者さん本人にやってもらうのがいいかな、と。
これは面白かったです。なによりもCBTは魔法ではない、と最初から言い切っているのが潔い。まず失敗しよう、という提言も納得のいくものでした。診察室において、必要な患者さんに貸してみたいと思います。
こっちのほうがたぶん「正当」なCBTなのでしょうが、ちょっとなあ、という感じです。原題は、Overcoming low self-esteemなのですが、self-esteemが至上の価値、という英米の世界観が前提にあって、そこが揺るがない絶対正義になっているのは気になります。春日武彦さんがおっしゃるように、精神科疾患は国家・文化によって恣意的に規定され、切り取られている部分があるでしょうし、、、、、、「非常に厳密な科学的テストにかけられてきた信頼できる療法」みたいなオールマイティー性を謳う言説も気になります。ちょっとコーチング・NLPに通じるところもありますねえ。いけなくはないんですが。
投稿情報: 08:56 カテゴリー: 本、映画、その他 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
リブログ
(0)
| |
|
|
|
前にもとりあげた「臨床のためのEBM入門」と「ナラティブ・ベイスト・メディスンの実践」同時読みは、2つの世界観を空間的に把握するのにとても有用な体験でした。既知の情報についてはすっ飛ばして読んだので、それほど時間はかかりませんでした。修士課程以来、EBMの教科書を通読していなかったので、よい復習にもなりました。
研究の包含基準と除外基準を厳密に適用するよりも良い方法は、研究結果が患者に適用できない何か決定的な理由がないか問うことである。
とか、CIがPとnだけで計算できている、とか、バイアスとは真実からの系統的なずれをいう。といったコメントに新たな気づきを得ました。
NBMについても、これまで別個にとらえていたNBM、質的研究、M−GTA、構造、現象学、間主観性、スピリチュアルペイン、反証可能性などといったキーワードが一つの空間の中に同時に現れたので、新しいとらえ直しが出来たのでした。この本は前に読んだ翻訳本よりもずっと納得のいく(自分の体験から照らし合わせて追体験できる)本で、入り込みやすかったのも良かったです。
ただ、岩田は微生物は実在しても病気(例えば感染症)は実在しないという見解を今は持っているので、NBMが従来型の生物化学的な医学と異なるもの(ひとつの物語りとして組み込んだとしても)というよりは、両者は構造というキーワードでより包括的な理解の仕方が出来ると思いますし、それを好みます。
つまるところ大切なのは、何をめざしているのか、というところからの逆算で、それが方法論を自然に決定してくれるということでしょう。はじめに方法論ありきだと、信念対立は避けられないですし、、、、これは病歴か検査か、入院か外来か、薬か薬以外か、などあらゆる医療における対立構造の解消に役に立つと思います。やっぱこれも西條さん滴には構造構成主義なのかもしれませんが、主義って言っちゃうべきなのかは、よく分かりません。
投稿情報: 13:20 カテゴリー: 本、映画、その他 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
リブログ
(0)
| |
|
|
|
今、総復習のために「臨床のためのEBM」Guyattら 医学書院、と「ナラティブ・ベイスド・メディスンの実践」齋藤・岸本 金剛出版を並列して読んでいます。新しい情報の奪取も楽しいですが、振り替えし、編み直し、読み直しもまた楽し、です。
ずっとひっかかっていたことが突然すっきりしました。私はイギリスやアメリカから発信されるNBMのどこかにものすごいうさんくささを感じていたのですが、その原因がやっと分かったのでした。ちなみに、アメリカやイギリスのEBMにも同様のうさんくささを感じていて、それは明らかに価値にハイエラキーを作っておきながら多様な価値観を大切にしてます、みたいな二枚舌(ダブル・スタンダード)を作って理論武装(逃げている)態度に由来しています。
医療人類学的には、いわゆる「病気」を、患者の主体的な体験である「病い:illness」と、客観的に証明できる病理学的実態(あるいは概念)としての「疾患:disease」に分けて考える。
上記 ナラティブ・ベイスド、、、より
ここだ、と思いました。この二元説的な主張(分けて考える)は、ゆくゆくはジェネラリストVSスペシャリストとか、患者をみる医療VS臓器をみる医療という対立構造の温床にもなっている(部分もある)と思いますし、アメリカでも欧州でも日本でも見られるルサンチマンの遠因にもなっています。
現在、出版を準備している本では、この対立はそもそも存在しない、という主張をしています。「分けて」考えることそのものが不可能なのだ、というより構造主義、構造構成主義的に突き詰めた、したがってラディカルな考えを提示・提案しています。西條さんに「岩田の疾患論はナラティブの物語り?」と問われたときに、それとは微妙に異なる、、、、と感じたのはそのためでした。と、この話は長くなるので、本が出たときに。でも、出版社からは断られ続けているので、どうなることやら。
投稿情報: 09:06 カテゴリー: 本、映画、その他 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
リブログ
(0)
| |
|
|
|
教育に関する議論は技術論か根性論・情動論のどちらかにながれがちですね。まずはそこから揺さぶるのが大事かも知れません。とくに後期研修では。
「弟子」とは「自分が「子ども」の位置にいることに気づいた子ども」のことである。「敗者」とは「自分が「子ども」の位置にいることに気づかない子ども」のことである。
内田樹 他者と死者 ラカンによるレヴィナスより
投稿情報: 08:57 カテゴリー: 本、映画、その他 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
リブログ
(0)
| |
|
|
|
最近のコメント