「海外事情」に寄稿した文章です。許可を得てこちらに転載します(初稿)。書いたのは昨年12月なのでデータはやや古くなりましたが、「総括」なので、内容は特に問題ないと思います。御覧ください。
緒言
日本の新型コロナ対策を「総括」、すなわち総合的なパースペクティブからまとめようとしたものが過去に2つ存在する。一つは、書籍になった「新型コロナ対応/民間臨時調査会 調査・検証報告書」[1]であり、もう一つは、政府が招聘した新型コロナウイルス感染対応に関する有識者会議が出した「新型コロナウイルス感染症へのこれまでの取組を踏まえた次の感染症危機に向けた中長期的な課題について」[2]である。
しかし、前者はどちらかというと「証言集」に近く、やや厳しい言い方をすれば、「個人の感想」集であり、属人的なものだった。データ解析、ファクトの解析には乏しかった。後者については政府に依頼されて役人が突貫工事でまとめたものを、「有識者」が追認するというもので[3]、こちらもデータやエビデンスの吟味という意味では不十分であったし、利益相反という観点からもやや身内びいきな評価であったように思う。
新型コロナウイルス感染症については世界中から膨大な量の学術研究が発表されている。本稿ではできるだけ「ファクト」「データ」「エビデンス」を根拠に、本稿執筆時点での日本の新型コロナ対策を検討してみたい。
世界的なパースペクティブ
2019年に中国・武漢で発生したといわれるSARS-CoV-2による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は世界中に甚大な被害をもたらした、今世紀最大の感染症パンデミックである。
Worldometerによると、本稿執筆時点での新型コロナウイルス症例は世界で6億5千万以上、死亡者は664万7640人である(https://www.worldometers.info/coronavirus/ )。特に死亡者が多かったのが米国で110万6963人である。人口あたり死亡が最も多かったのがペルーで人口100万人あたり6457人だ。
しかし、これらの数字は検査で診断が確定し、報告されたもののみを数えている。実際の感染者、死亡者はこれを遥かに上回るものと推測されている。例えば、感染性の高いオミクロン株が流行して以降、英国では住民の8割程度がSARS-CoV-2に感染していたであろうことが、献血者のサンプルを用いたN抗体の測定から分かっている(N抗体は新型コロナワクチンとは独立した抗体なので既感染者の規模が推定できる)[4]。報告されている2400万人程度の感染者を遥かに上回る数だ(英国の人口は6733万人、日本の半数強)。
英国では大多数の住民がオミクロンに感染し、自然感染免疫を獲得、それまで普及していた新型コロナワクチン接種のもたらす免疫が加味された状態、いわゆる「ハイブリッド免疫」が得られた[5]。これが社会活動制限緩和の大きな根拠の一つとなった。米国など、感染被害が甚大だった国ほど、このハイブリッド免疫を根拠とした社会制限緩和が進んでいる。
もちろん、英米両国は新型コロナ対策の「成功者」とは呼べない。このハイブリッド免疫を獲得するまでに米国では100万人以上、英国では20万人近くの人々が命を落としているのだから。
真の感染者数は報告数よりもずっと多いが、死亡者数もまた、実際には報告数の倍以上存在していたと推定されている[6]。つまり、世界では新型コロナ感染のために少なくとも1000万人以上の人が死に至ったのである。
先のN抗体を用いた感染者数の推定は日本でも行われており、献血者の陽性率は26.5%であった。オミクロン感染以降、4人に一人程度が感染している計算になるが、換言するならば半数以上の日本住民はまだ新型コロナに感染していないわけで、「ハイブリッド免疫」を得るには十分とは言えない [7]。報告されている日本の死亡者数は本稿執筆時点で5万344人である(内閣官房データ https://corona.go.jp/dashboard/ )。人口あたりの死亡者数では人口100万人あたり402人となり、これは世界141番めで、極めて低い状態を保っている。
英国の医学誌、The Lancetの総括によれば、新型コロナ感染による人口あたりの死亡者が世界で最も少なかった地域は西太平洋地域である。逆に、推定死亡者数が最も多かったのが南北アメリカ大陸、および欧州であった[6]。アフリカ大陸は報告死亡数が世界で最も少ない地域だが、推定死亡者数も相対的に少ない。新型コロナ死亡リスクである高齢者や肥満が少ないためと考える[8]。しかし、そのアフリカ大陸よりもずっと推定死亡者数が少なかったのが西太平洋地域である。
その原因として指摘されているのが、同地域における感染者数の少なさである。感染者が少なかったのは、感染者を抑制する政策をとったからである。こうした国々がオーストラリア、ニュージーランド、カンボジア、中国、香港、ラオス、シンガポール、ベトナム、韓国、日本などである[6]。オミクロン株が主流になるまでは、感染者を出さないための抑制策と、予防接種による免疫獲得が新型コロナ対策成功の最適解だったのだ。
しかし、SARS-CoV-2の変異株、オミクロンが流行して事態は大きく変化した。オミクロンは従来のウイルスよりも感染性が極めて高く、これまでは成功していた感染抑制が極めて困難になった。従来型のワクチンも効果が減弱しており、これも感染抑制を難しくした[9]。一方、死亡リスクは従来の変異株よりも低く、大多数が無症状か軽症例であるために、強力な感染抑制策が「割に合わなく」なってきた。そのため、これまで新型コロナ抑制策をとってきた国々も抑制の程度を弱める方向に政策を変更している。唯一、中国だけが強力な社会抑制策を継続してきたが、ここにきてロックダウンなどの社会抑制策への不満が高まった。中国でも規制は弱められるだろう。しかし、中国は効果の落ちる自国産のワクチンに固執してきた。対象的に、カンボジアは当初、中国産のコロナ・ワクチンの提供を受けていたが、ファイザーやモデルナが提供するメッセンジャーRNAワクチンのほうが効果が高いことを知り、こちらにワクチンを切り替えた[10]。加えて、中国の強力なゼロコロナ政策のために国民の大多数が感染を経験していない。中国はネット診療などハイテクを駆使した医療を提供したり、短期間の間に武漢に新型コロナ専用の病院を建設するなど、その強みがある一方で、とくに遠隔地域における医療体制が十分でないため、強力な感染抑制策を急に緩和してしまうと、免疫のついていない住民に大量の感染者が発生して医療が崩壊してしまう可能性もある。方針転換は諸刃の剣で、判断が難しいところである[11]。
以上、これまでの新型コロナウイルス感染症の経緯と問題点のポイントをまとめた。ここからは日本のコロナ対策について各論的に論じる。
- 武漢からの邦人など帰国
2019年から20年にかけての武漢での最初の流行を受けて、チャーター便を用いて武漢にいた邦人などが日本に帰国した。829人が帰国し、そのうち815人に2回以上のPCR検査が施行された。14人の感染が確認され、うち7人に肺炎が認められた。重症化リスクが高くはない50〜60代の感染者が多く、死亡者はいなかった[12]。後述するダイヤモンド・プリンセス号のクラスターとの大きな違いである。
初めての診断や感染者のケアということで、搬送関係者も搬送先の医療関係者もさぞ緊張したと思うが、結果的にはこのミッションは無事に遂行された。比較的感染者が少なかったことや、ハイリスク者が少なかったことが幸いしたのかもしれない。
- ダイヤモンド・プリンセス号での隔離検疫
2月4日にCOVID-19感染者を載せたクルーズ船、ダイヤモンド・プリンセス号が横浜の大黒ふ頭に碇泊、船内の乗客、乗員は下船することなく、14日間の隔離検疫状態になった。
当時の船内の感染対策を失敗だと筆者は論じ、それは話題になった。筆者の指摘を担当した官僚や政治家たちは否定し、船内の対策を「成功だった」と主張した[13]。
では、対策の「成功」とはいったいなにか。
それは、船内での隔離検疫後の感染が防止されていることである。14日隔離し、それを解除する理論的な根拠は、「その14日間、新たな感染者が発生していない」ことにしかないからだ。逆に言えば、この間に新たな感染者が発生していれば隔離期間を延長せざるを得ない。
当時日本には新型コロナのPCR検査が十分にできる体制が整っておらず、検査は少数ずつ五月雨式にしか行えなかった。そして、14日の隔離が終わったあとも結局1度もPCR検査をすることなく下船した乗客・乗員も多かったことも、現在では分かっている[14]。
その後の研究で、クルーズ船内では隔離期間終了時にも再生産数が1.5以上あったことが推定されている。これは新たな感染者が発生して感染者数が増加していたことを示す数字だ[15]。
実際、隔離解除のあと、船内にいた外国人乗客は各国が用意したチャーター便に乗って帰国した。帰国した彼らを待っていたのは、さらなる2週間の追加の隔離であった。筆者が動画で船内の感染対策の不備を指摘したためにとられた、当然の措置であった。2020年3月1日の筆者の記録によると、各国で帰国後の感染が相次いだ。
香港 200人以上帰国 5人感染
英国 30人程度帰国 4人感染
オーストラリア 150人以上帰国、10人感染
米国 300人以上帰国、 5人感染
イスラエル 11人帰国 2人感染
そして、日本で下船した乗客でも少なくとも4名、乗客以外では検疫所職員3名、厚労省職員4名、医療者(DMATなどの船内活動者)2名が感染している。実際には上述のように、下船者で検査をしていない者もいたから、もっとたくさんの船内感染が起きていたはずだ。
クルーズ船の感染対策は、そのミッションとアウトカムから立脚する限り、失敗だったのである。
余談ではあるが、筆者が感染対策の不備を日本語と英語の動画で告発したことが一部の批判を招いた。他国に日本の恥をさらすのは国益に合致していない、という愛国的な視点によるものだ。
しかし、もし各国が日本政府の感染対策の不備を疑わず、そのまま乗客たちを帰国させ、そこでさらなるコロナ流行を招いてしまったとしたらどうだろう。当時は武漢の流行も下火になり、まだイタリアなど他国での流行は起きていなかった。世界中が日本のクルーズ船を注視していたのである。その船の感染対策が原因で他国に感染が飛び火したら、各国の批判が日本に集まるのは必定だ。
確かに、評判を高めるのも国益の一つではあるが、結果を出すこと、実害をもたらさないのはもっと重要なのである。
- 国内感染者のコンタクト・トレーシングと隔離
その後、新型コロナウイルス感染は中国から世界各地に広がっていった。日本の初期(いわゆる第一波)の感染対策はどうであったか。
全体的には、それは成功したと考えている。
日本は海外からの感染症の今日にさらされる経験に乏しく、その「仕組み」も十分にできていなかった。中国は2002年からの重症急性呼吸器症候群(SARS)、韓国も2015年の中東急性呼吸器症候群(MERS)の流行を経験しており、新たな呼吸器感染症の勃発がもたらしうる被害や対策の難しさを痛感していた。両国は感染対策の中心たるCDCを作り、感染防御や治療、検査体制を整備していた[16,17]。しかし、このような危機を経験しなかった日本は、重大な感染症と対峙する能力を欠いていた。
日本では現在に至るまでCDCに該当する組織が存在しない。前述のように新型コロナ流行当初はPCR検査も十分にできず、検査をわざと抑制せざるを得なかった。感染症病床をもつ医療機関も少なく、感染症や集中治療を専門とする医療従事者も少なかった[18,19]。モノにおいてもヒトにおいても組織においてもリソースが不足していた。保健所はその数を減らされ、国立感染症研究所も予算不足、人員不足に苦しんでいた[20,21]。
加えて法制度上の問題もあった。いわゆる「感染症法」は1990年代に施行されたもので、最新の科学的知見やエビデンスを活用する仕組みを欠いていた。例えば、現在も感染者が増加している梅毒は「感染症法」における届け出感染症(5類)だが、届け出制度が梅毒流行抑制に寄与することはない。対策やアウトカムに連動していないためで、要するに「ただ、届けているだけ」なのである。アウトカムに立脚したEBMの概念を感染症法が内包していないのは大きな問題だ。
手続きも時代遅れで煩瑣である。古い紙の書類、ハンコ、FAXを使った届け出制度のために医療者も保健所も無駄な疲労を強いられた。後に届け出はインターネット上のHER-SYSが用いられるようになったがこれも使い勝手の悪さや煩瑣な仕組みのために現場には嫌われた。例えば米国ではカルテ記載や検査結果を電子的、自動的に報告するシステムが導入されており、医療者が書類を書いたり、保健師がエクセルで入力しなくても症例の収集、データの統合が自動的に行われる[22]。
このようなリソースの欠如、仕組みの欠如にも関わらず、初期の新型コロナ対策は他国に比べて非常にうまくいった。少ない人員や検査キャパの欠如にも関わらず、感染者の検出やクラスターの抑え込みに全力であたったからである[23]。それはまさに「努力と根性」がもたらした結果であった。
しかし、もちろんこれは美談ではない。年単位で続くパンデミックで、医療者も公衆衛生担当者も疲弊してしまったからである。
「第一波」前後の新型コロナ流行曲線。米国、欧州諸国と比べてアジアの日本、韓国の感染が極めて低く抑えられていることが分かる。
- 緊急事態宣言
日本では2020年4月から「緊急事態宣言」を安倍総理大臣(当時)が全国を対象に行なった。これは罰則規定のある他国のロックダウンとは名称こそ異なれ、同調圧力の強い日本においては(少なくとも当初は)非常に強力に作用した。多くの人々が外出を控え、外出時のマスクは必須となった。前述のように、日本の「第一波」は感染者数を非常に低く抑えたまま収束したのである。
この時期、まだ効果的な治療薬やワクチンは使用不可能だった。よって、重症者や死亡者の増加を阻止する方法は「感染者を減らす」ことだけが唯一の効果的な方法だった。感染者を減らす=死者を減らす、だったのであり、だからこそ有効な社会抑制策がコロナ対策の成否を分けたのである。
このような強力な人流抑制が感染制圧に効果的なことはすでに先行研究が示している[24]。日本のみならず、ロックダウンをとった多くの国で、感染者数の減少をみることができた。
ただし、この「緊急事態宣言」はこのあとも繰り返される。そして、繰り返すことによる「慣れ」や住民の苛立ちから抑制効果は徐々に薄らいでいき、その後の「波」も大きくなり、感染者、そして死亡者も増加していくこととなった。
- 学校休校
緊急事態宣言前の2020年3月1日からは全国の学校に休校が要請された。実質的に日本のほとんどの小中高校が休校状態となった。
しかし、我々の行った時系列解析によると、この休校は感染対策にはほとんど効果がなかったことが示唆されている[25]。そもそも、当時の新型コロナウイルス感染は小児における感染は非常に少なく、流行の主体にはなっていなかった。流行の主体でないところに介入をかけても十分な効果が期待できないのは当然である。この時期の「政治的決断」は科学的な判断というよりも政治的なアッピールの要素が大きく、成果は乏しかった。
その後、オミクロン株の流行では従来とは異なり、小児での感染者が激増した。各地で学級閉鎖などが行われたが、休校の弊害も大きく、学校活動は感染対策を継続した形で継続されるようになった。
- マスクの配布
ほぼ同時期に、すべての家庭にマスクを郵送する、いわゆる「アベノマスク」政策もとられた。しかし、そもそも布マスクがウイルス感染を予防する効果は乏しく[26]、実質的な効果は期待できなかった。
とはいえ、当時は医療用マスクが品切れして入手困難になっていたため、市民の不安解消の一助にはなった可能性はある。ただし、結局8000万ものマスクは未使用のままで倉庫に眠っていたことなどを考えると[27]、その物的、人的リソースを用いるに値するほどのアウトカムが得られたかといえば甚だ疑問である。
- Go To
「第一波」を抑え込むまでは日本の感染対策はコヒーレンスが保たれていた。成功した対策も失敗した対策もあったが、全体としては「ここで感染を抑え込む」というミッションは概ね共有されていた。
しかしその後、世論は分断しはじめる。これは日本に限らず世界の多くの国々で観察されたことである。「感染対策か?経済か?」という2つの命題を巡り、ミッションは共有できなくなった。
旅行や外食を促進するいわゆる「Go To」は人の移動や外食が明らかな感染リスクである以上、感染対策としてはカウンタープロダクティブであるが、「Go Toが感染拡大の主要な原因だというエビデンスは存在しない」といった政治家の詭弁に抵抗された。実際、「Go To」と感染拡大の関係を明示した論文は少なく、Nishiuraらの比較的プリミティブな論文などしかないが[28]、これはむしろ日本がITを駆使したデータサイエンスを行うスペックを欠いていたためであろう。Absence of evidence is not the evidence of absence、なのである。事実、海外からは人の移動やレストランの使用と新型コロナ感染拡大の関係を示した論文は出されている[29]。
感染症は感染経路が存在せねば成立せず、新型コロナの感染経路は基本的にヒトからヒトだ。ヒトとヒトとの遭遇を増やす外食が感染を助長するのは筋の通った考え方だし、実際データもそれを示唆している。日本の47都道府県全てに新型コロナが流行したのはウイルスが上空を飛翔したためではない。「ヒト」が各地に運んだのである。人の交流がその地での感染を拡大させ、人の移動が感染地域を面的に拡大させる。「Go Toにエビデンスがない」が詭弁なのは明らかだ。クルーズ船でもそうだったが、ときどき出される政治家や官僚の詭弁が、日本の感染対策の論理性や科学性を毀損する。
- ワクチン接種
2020年後半から2021年はじめにかけて、複数の新型コロナ・ワクチンが開発され、その有効性が確認された[30,31]。これが本感染症の「ゲーム・チェンジャー」になった。
mRNAワクチンは新型コロナの感染を防ぐのみならず、他人に感染しにくくなり、重症化しにくくなり、よって死亡リスクも減る[32,33]。その効果はオミクロン株の出現によって目減りしてしまったが、ブースター接種により感染リスクはある程度下げられるし、重症化予防効果は十分に高い。ワクチン接種が有効に行われれば「感染者は増えても、重症者は増えない」という「デカップリング」が可能になり、よって経済その他にマイナス面の大きい社会的抑制策をある程度回避できる。
日本はこのmRNAワクチンの確保、供給、普及に迅速に対応した国である。初期段階こそ、やや他の先進国に遅れを取ったが、2021年5月あたりから一気に供給が増加し、住民の多くにワクチンを提供することに成功した。
新型コロナワクチン接種回数。
日本の迅速なワクチン接種は「第5波」において、「第4波」よりも死亡リスクが下がったことや、より重症化リスクの高かったデルタ株の流行(「第6波」)での感染拡大が比較的速やかに収束したことに寄与している。その後のオミクロン株の流行では、感染者が激増したために総死亡者こそ増えてしまったものの、死亡率はやはり低下していたのもワクチンの寄与するところがある(オミクロンになっての病原性の低下も一因である)[34,35]。
- 治療薬や医療の提供
当初、新型コロナに有効な治療薬は全く存在しなかったので、重症患者は全身管理をしながら自然に回復するのを待つよりほかなかった。そこで、前述の集中治療の専門家不足が問題になった。
全身管理のためのECMO(extracorporeal membrane oxygenation, 体外式膜型人工肺)や、nasal high flowと現場で呼ばれる高流量鼻カニュラ酸素療法も患者激増時には枯渇したが、世界的に見ると潤沢であった。特にECMOは2009年の新型インフルエンザ流行時にその重要性が認識され、呼吸管理の専門家達によって普及がなされていた。過去の感染流行から学び、十分な反省と準備ができていた稀有な一例と言える[36]。当初は枯渇していた防護服やマスクも程なく供給されるようになり、インドなどでは発生していた酸素不足も日本は回避できた[37]。サプライチェーンの保守がなされたことと、比較的患者数が少なかったことが原因と考える。
その後、世界中で臨床試験が行われ、重症患者の生存確率を高めるデキサメタゾンが治療に用いられるようになった。後に、軽症患者の重症化を防ぐ数々の治療薬も開発され、その有効性が確認された。厚生労働省によって治療の「手引き」が執筆され、それは定期的に更新された[38]。
治療薬の多くは「感染症法」に基づいて無料で提供された。ただ、その手続は煩瑣で医療現場は疲弊したし、供給量も十分ではなかった。
特に、重症化予防効果が高いニルマトレルビル/リトナビル(パキロビッドパック)の処方は十分ではなかった。厚生労働省によると、2022年9月15日時点でのパキロビッドパックの使用量は4万4276人分で、より予防効果の落ちる抗ウイルス薬、モルヌピラビル(ラゲブリオ)の61万9621人分を大きく下回る[39]。ラゲブリオは効果が低い理由で米国のNIHガイドラインでは使用が推奨されていない(他にオプションがないときにやむを得ず使用する薬とされる)[40]。実際、米国ではパキロビッドの処方量がラゲブリオよりも遥かに多かった[41]。これは政府、厚生労働省がパキロビッドを現場で容易に処方できるような仕組みを作らなかった点に問題があるが、それだけではない。米国感染症学会IDSAは薬物相互作用に注意が必要なパキロビッドについて、相互作用があってもほとんどの患者にはパキロビッドの処方が可能であることを示すガイドラインを発表していた[42]。一方、日本感染症学会はパキロビッドの医薬品としての情報を提供するのみで、翻訳がラゲブリオよりも重要性、優先度の高い薬であることを周知することを怠り、かつ薬物相互作用を克服する方法についても言及が不十分であった[43]。もちろん、日本の医師がNIHやIDSAのガイドラインを閲覧、理解していれば容易に克服できることであった。よって、この問題は政府/厚生労働省の戦略性やミッションの欠如、専門家集団の戦略性の欠如、一般医師たちのリテラシーの欠如が重なり合って起きた問題であった。
- 保健所などの公衆衛生対策
日本の新型コロナウイルス感染症対策において最重要な役割を果たしてきたのが、保健所などの公衆衛生対策である。感染者の報告を受け、濃厚接触者の確認、入院先あるいは療養施設の調整、健康観察など、多種多様な業務を行ってきた。このようなきめ細やかな対応は他国ではなかなか見られないものではないかと考える。
他方、きめ細かな対応はヒューマン・リソースを消耗させた。特に患者数が激増したときは保健所機能は麻痺し、医療機関の疲弊とともに「医療崩壊」寸前の状況にまで追い込まれた[44]。前述のようにもともと保健所数は減少され、マンパワー不足は明らかだった。それ以上に問題だったのが業務の効率性の欠如とIT化の遅れだった。電話やファックスといった時代遅れなツールに依存し、会議もリモート会議に転ずるのに時間を要した。前述のように報告システムの自動化もできず、多くの作業が手作業であった。ヒューマンリソースの充足以上に、保健所機能のモダナイゼーションは喫緊の課題である。
- リスク・コミュニケーションとディスインフォメーション対策
新型コロナウイルス感染症は過去に例がない、特異的な感染症である。
その最大の特徴は、疾患の二重性にある。若い、健康な住民については、新型コロナは軽症、あるいは無症候性の感染に終わることが多い。しかし、高齢者や肥満などのリスクを有する人にとっては、それは死に至らしめる感染症となりえる。前者は感染を世界中に広める理由となり、それがリスクのある患者の感染をもたらし、そして結果として多数の死者を出した。
また、前者にとりコロナは低リスクの現象であり、強力な社会抑制的な政策は経済や生活を圧迫する存在となった。後者にとっては、コロナは生命を脅かす存在であり、強力な予防策に依存せざるを得なくなった。
このような真逆の特徴を併せ持つ感染症の特徴から、そのリスク・コミュニケーションは非常に難しいものになった。地震や津波などの自然災害では起きない現象だし、エボラウイルス感染症のように一律に死亡リスクの高い感染症でも同様の問題は起きない。コロナを過度に軽視する意見と、過度に怖がる意見が同居し、分断は深まった。
感染対策の要諦は感染経路の遮断にある。感染経路の遮断策は、感染者が多いコミュニティでは強力に行われる。感染者が少ない場所では感染リスクが低いため、強力な施策は不要である。よって、問題がないときは行動制限もマスクも不要になるし、感染者が急増したときは行動制限もマスクも必要となる。
例えるならば、パンデミック対策は水対策のようなものである。一滴の水には何の対策も必要ない。コップ一杯の水でも同様だ。たらい一杯の水が降り掛かってくれば避ける必要が生じるし、雨になれば傘をささねばならない。大雨になれば傘では防護が不十分となり、自宅などに避難しなければならない。これが津波となると自宅にいることも危ない場合がある。一律にこれが正しい、という水対策はなく、その規模に応じて対応を変えねばならないのだ。
しかし、このような「状況に応じて対応を変えましょう」というメッセージを多くの人は嫌う。一律に、こういうときは、ああしなさい、というノウハウを希求する。局面、局面でそのようなノウハウを伝えると、「あのときはマスクは要らないといったのに、今は要るとはどういうことだ」と不満が生じる。これにインターネットのソーシャルメディアや、テレビなどのラージメディアのミスインフォメーション(間違った情報)、ディスインフォメーション(人を欺くためのデマ)の爆発的な増大、すなわち「インフォデミック」が人々の混乱に拍車をかける。ワクチンは危険だ、といった陰謀論を唱える人も多々出現する。これは日本のみならず、世界的な傾向である[45]。
インフォデミックに対峙する特効薬は存在しないが、これを看過するのは間違いだという点では識者の見解は一致している。もともと日本政府、厚生労働省は効果的な情報発信が得意ではなく、例えばインターネット上の情報も見つけにくい、読みにくい、分かりにくいものが多かった。最近では新型コロナ・ワクチンの誤情報に対抗するよう、Q&Aを設けるなど[46]、少しずつ改善はしているようだ。
- ワクチン開発
日本では1990年代のMMRワクチンの副作用問題などで厚生労働省が予防接種制度に消極的になった時代があった[47]。そのため、近年ではヒトパピローマウイルス・ワクチンの副作用疑惑に過剰に反応し、勧奨差し控えといった誤謬も犯してきた[48]。そんな中で国内企業のワクチン開発へのインセンティブは低下し、研究所などでのワクチン製造、供給が主流となった。近年では「予防接種後進国」と言われる日本の現状を克服しようという動きも見られているが、多くの予防接種は海外企業の製品を輸入せねばならない状況となっていた[49]。
そのような状況下で新型コロナのパンデミックが起き、にわかにワクチンのニーズが大きくなった。これまで実績のなかったベンチャー起業「アンジェス」に藁をも掴む思いで75億円もの国費が投じられたが、ワクチン開発には失敗した[50]。2022年になり、武田製薬株式会社の組み換えタンパクワクチン「ノババックス」が薬事承認され、ようやく国産の新型コロナワクチンが実用化した[51]。
今後は日本のワクチン開発力の強化とともに、開発資金供給の適正性についてもさらなる改善が必要であろう。
13.治療薬開発
国内での新型コロナウイルス感染症治療薬開発も苦戦している。ファビピラビル(アビガン)、イベルメクチンなどは臨床試験で有効性を見いだせず[38]、エンシトレルビル(ゾコーバ)は軽症コロナの複数の症状を1日短縮する効果が示され、緊急承認されたが得られるアウトカムが小さすぎて患者にとってどれだけの利益になるかは不明である。むしろ、発熱外来にゾコーバを求めて自然治癒するであろう軽症患者が殺到し、医療が逼迫するリスクすらある[52]。国産の治療薬を出したいという気持ちはわかるが臨床医学の科学性を無視した形でゴリ押しするのは、日本医学の質を下げてしまいかねず、問題である。また、上述のアビガン、イベルメクチンなど効果が示されない国産薬を推奨する医師が複数いたのも問題であった。エビデンス・ベイスド・メディシン(EBM)を理解しない臨床医が未だにいる現状も、改善を要するポイントだ。
- 臨床研究
新型コロナウイルス感染症に関する日本発の研究は多くなく、特に臨床研究は少なく、質も高くない。我々専門家が猛省すべき点である。
端的に人的リソースが足りないのが最大の理由であり、診療をしながらコロナの研究をするのは困難だ。よって、「波」の間の「農閑期」に研究に従事することになり、どうしても発表は遅れてしまう。個人的な経験だが、ある査読者に「なぜ、今頃になってこんな話題を論文にしているのか」と問われて絶句したことがある。「この話題」がホットなときには、その対応に追われて研究ができなかったのである。
IT化、DXの問題も大きい。諸外国では診療情報やワクチン接種データ、ウイルスの変異株のデータも突合が可能なため、大量のデータを用いた迅速な解析、学術発表ができる。数百万規模のビッグデータを扱い、数週間で解析を済ませて論文を完成させてしまう。公衆衛生上の利益も大きい。翻って日本では、このような作業は基本手作業で、研究所から「郵送」で送ってきた紙のウイルス情報と、各医療機関を直接訪問し、カルテを開き、エクセルに手で臨床情報を入力し、予防接種の情報はまた別の場所から手に入れるといった、泥臭いやり方を強いられる。これではどんなに頑張ってもデータの量も少なくなり、時間も手間もかかり、そして発表は大いに遅れて「賞味期限切れ」になってしまう。
臨床研究に対する人的、物的、そして金銭的リソースの拡充と、データマネジメントシステムの刷新、IT化、DXが喫緊の課題であるが、現実には大学の運営交付金は年々減らされ、研究者を雇用するのは困難である。保健所でも問題となった情報マネジメントの問題は臨床研究の困難の原因でもある。
結語
日本の新型コロナ対策は、他の西太平洋諸国同様、世界レベルではかなりよい結果をもたらした。特に感染者数の抑制策とワクチンの供給において、日本は他国に比べて成功したと言える。他方、日本には感染対策の仕組み、リソースが枯渇しており、貧弱な環境下での無理やりな「成功」だったことも否めない。よって、かつてのSARSや新型インフルエンザ問題のときのように「(偶然)うまくいった」と現状維持に甘んじることなく、抜本的な改革を行い、次に流行する新興感染症対策を盤石なものにせねばならない。新型インフルの総括会議では日本版CDCに言及がされているのに、結局この提言は無視されたのである[53]。報道によると(今度こそ)「日本版CDC」が設立され、それは国立国際医療研究センターと国立感染症研究所が合併するものだというが[54]、単なる名前の変更で「やった感」を出すのではなく、本当の意味で科学性や独立性を担保し、成果に直結した組織となってほしい。保健所、医療機関、そして医師の質改善や構造改革も喫緊の課題である。
文献
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- 新型コロナウイルス感染対応に関する有識者会議「新型コロナウイルス感染症へのこれまでの取組を踏まえた次の感染症危機に向けた中長期的な課題について」 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/coronavirus_yushiki/pdf/corona_kadai.pdf (閲覧日2022年12月5日)
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