S「D先生、見てましたか?研修医のC先生、ちょっとひどいですよね」
D「うん、見てた」
S「C先生、愛想悪すぎるんですよ。患者さんにもボソボソっと小さい声でしゃべるだけ。看護師さんにも説明不足、言葉足らずで、360度評価も低いです。というか、もう少し笑顔の一つも見せたらいいじゃないですか。あれじゃ、周りの評価が上がらないのも当然ですよ」
D「まあ、そうだな」
S「わかりますよ。D先生の言いたいことは。優秀じゃない研修医も一所懸命教えろ、でしょ。そりゃ、そうですけど、やっぱり問題のある研修医指導はストレスフルですよね。師長さんとかからも苦情を言われるし。まあ、やりがいがあるのは事実なので、がんばりますよ。今度面接をもって、いろいろ指導してみます」
D「やめとけ」
S「はあ?」
D「やめとけ。そんな面接、持つ必要ない。ほっとけばいいんだ」
S「ええ~~、それはさすがにないんじゃないですか。研修医を見捨てちゃダメだってD先生もいつも言ってるじゃないですか」
D「それが、お前さんの甘さだ。過度の一般化というやつだ」
S「はあ?」
D「まあ、聞け。今からその根拠を教える」
第87回「わざと見逃す欠点もある」その1 終わり
続く。
この物語はフィクションであり、DとSも架空の指導医です。
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