S「うーん、どうしようかなあ~」
D「ん?珍しく悩んでるな。次ナンパする女性研修医リストでも吟味してるのか?」
S「そんなリストありませんし、ナンパもしません」
D「じゃ、どうした?S先生が悩むとしたら、そのくらいだろ」
S「んなわけないでしょ。今見てる患者さん、下肢の蜂窩織炎だと思うんですけど、腫脹が激しくてパンパンなんですよね~、ちょっとコンパートメント症候群を合併してないか不安なんですけど、MRIを撮ってもきっちりした答えが出なくて、どうしようかな~って悩んでるんです」
D「整形外科医を呼んで、相談すればいいじゃないか」
S「そうなんですけどね。ほら、うちの整形って相談すると怖いじゃないですか。「俺は今忙しいんだ。邪魔すんな」みたいな態度が露骨で、相談しにくいんですよね」
D「整形のドクターみんながみんな、そんな態度悪いわけじゃあるまい」
S「まあ、そうですけど、コンサルトというと若手、中堅どころの先生しか相談できないじゃないですか。あまり上の先生を煩わすのも、、、」
D「煩わせばいいじゃないか」
S「そういうD先生的蛮勇はぼくは持ち合わせていないんです」
D「しかし、患者がコンパートメント持ってるかいないかは非常に重要な問題だ。相手がどんなに態度が悪かろうが、そんなことは気にせず相談すればいいじゃないか。土下座の一つでもして、靴を舐めれば、気持ちよく患者を見てくれるよ」
S「靴なんか舐めたくないですよ」
D「つまんないプライドが邪魔をする、つまんない男だな!」
S「ええ、どうせぼくはつまんない男ですよ!」
D「じゃあ、しようがない。とっておきの、奥の手を使うか」
S「なんですか?」
D「教えてやんないよ~」
S「ええ~~~」
第67回「教え子を活用しよう」その1 終わり
続く。
この物語はフィクションであり、DとSも架空の指導医です。
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