うちの初期研修医の送ったメッセージの抜粋です。
ムダな検査が増えると本当にCTを必要としている患者の検査が遅れますし、患者搬送時の急変など事故の原因にもなります。放射線曝露の問題も無視できません。
また、CTは(ほかの検査同様)自動販売機のようにオーダーボタンを押すと結果が出てくるものではありません。間には検査技師さんの多大な労力をお借りしているという点にも謙虚であるべきです。「とりあえず評価したい」といういい加減な理由ではなく、患者にとって本当に利益があるのかをよく考え、上級医とよく相談してからCT検査をオーダーするよう心がけてください。
特に問題のあるパターン
1. レントゲンで肺炎が診断されているのに、「ついでに」胸部CTを取っている(膿胸など合併症を疑う場合はこの限りにあらず)
2. 腹痛など「腹部CT」が必要なのに「ついでに」胸部CTも追加している。
3. 「意識障害」に「とりあえず」CTを撮っている。低血糖や感染症も考えましょう。
4. アセスメントを考えずに、頭の画像を撮っている。対麻痺は頭の「した」の問題なことが多いです。意識消失発作(syncope)の大半は「頭」が原因でなく、迷走神経反射や不整脈などを考えましょう(けいれんなどは例外)。
CTのみならず、検査はすべて技師さんの労力を借り、患者の合併症のリスクを鑑み、それでも患者に利益が得られるとき「のみ」行うものだということをよく理解しましょう。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。