昨年、レバ刺しが禁止になった時、「おかしいなあ」と思いながら、震災周辺のことやらなにやらでドタバタしてゆっくり考えることができなかった。そのことを今でも後悔している。で、遅ればせながら食のリスク、放射能のリスク、医療のリスクなどについて考えなおしてみたのが本書。ブログ原稿や雑誌の連載なども加筆修正したコンピレーションになっています。
牛のレバ刺しを禁止にすると、豚のレバ刺しを食べる人が出てくる。当然、そこには感染症が出現する。というわけで、今度は豚のレバ刺しを、、、以下同文。それにしても、アジア条虫を見つけた中村ふくみ先生の「いつもと違う」感は只者ではないですね。
とはいえ、、寄生虫感染症といってもアジア条虫の健康リスクは大きくない。単に気持ち悪いだけだ。頻度的にも「まれ」な事象である。実際には、生魚やイカを介したアニサキス症のほうが日本ではずっと頻繁で、しかもとても痛くて苦しい。罹患した僕がいうのだから、間違いない。しかし、魚介類の生食の健康リスクはあれやこれやの言い訳をもってスルーされる。日本ではまれな事象はメディアが騒ぎ、行政が対応を迫られるが、しょっちゅうある、つまり真に我々の健康にインパクトの大きな問題はメディアも無視し、行政も知らん顔をする。
そういうのは、おかしいでしょ、と思うべきなのである。世の中が分かったふりをしてはいけないのである。分からない、そんな世の中、と言い続けるべきなのである。
そういう本です。ぜひどうぞ。
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