一回直しを入れたら実に良くなりました。
クリオグロブリン血症
【クリオグロブリン血症とは】
クリオグロブリン(Cg)は冷却すると白濁・白色沈降物を生じ、37℃にすると溶解する性質を持った免疫グロブリン(Ig)またはIgを含む免疫複合体のことである。またクリオグロブリン血症とは血中にクリオグロブリンが存在することで血管炎などさまざまな症状を引き起こす疾患である。
【クリオグロブリン血症の分類と基礎疾患】
(1)。(2)より引用
HCV感染が主要な基礎疾患である。クリオグロブリン血症の患者のうち70%以上で血清中に抗HCV抗体もしくはHCV RNAが存在している。また自己免疫疾患も多く、リウマトイド因子(70%)、抗核抗体(30%)、抗ミトコンドリア抗体(9%)、抗平滑筋抗体(18%)が認められる。また何の背景も持たない本態性クリオグロブリン血症は非常にまれである(5%)。<(2)より引用>
【クリオグロブリン血症の臨床症状】
血液の粘調度が増す、もしくは免疫複合体が形成され、血管内皮障害や炎症反応による血管炎が起こることでさまざまな症状が引き起こされる。症状として多いものとしては紫斑(98%)、倦怠感(98%)、関節痛(91%)、末梢神経障害(81%)、Raynaud現象(32%)があげられる。また高率で肝障害(73%)や腎障害(31%)も併発する。<(2)より引用>
【クリオグロブリン血症の診断】
クリオグロブリン血症の明確な診断基準は存在しない。血清においてクリオグロブリンが認められることや、上に示したような臨床症状が認められることにより診断する。病理学的に血管炎が示されることやHCV感染も診断する上で一助となる。
【クリオグロブリン血症の治療】
基礎疾患が存在する場合、基礎疾患の治療が重要である。基礎疾患への治療によりクリオグロブリンの生成は抑制される。そのため、HCV感染や自己免疫疾患といった基礎疾患を特定することが大事である。
軽度の症状(紫斑、倦怠感、関節痛)のみであれば、NSAIDsを用いる。軽減されない場合、低用量のステロイドを投与する。HCV感染が基礎疾患としてあり、慢性活動性肝炎や糸球体腎炎、皮膚血管炎が認められるとき、IFN-αとリバビリンを併用し、HCVの根絶を試みる。糸球体腎炎に加え、全身に血管炎が存在する場合には、血漿交換や免疫抑制剤の適用となる。
<参考文献>
(1)Up to date: Overview of cryoglobulins and cryoglobulinemia
(2)Mixed cryoglobulinemia:Orphanet J Rare Dis. 2008 Sep 16;3:25.
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