本当に、この3月4月はいろいろなことがありすぎて、肉体・精神ともにいっぱいいっぱいになっている。
そんなわけでしばらく小説が読めなかった。ようやく手に取った本が本書で本当によかったと心から思っている。
この小説は19世紀のリアリズム手法を使った「総合小説」といえる。テーマは50年以上にもおよぶ一貫した男女の愛である。「百年の孤独」のようなマジカルな要素は露骨には表れないが、19世紀から20世紀にかけてのコロンビアの50年以上の男女の愛というだけで奇跡的だ。そこにはマジカルな要素が潜んでいる。リアルな文体とアンリアルなコンテンツが見事に編み上げられている。
男女の長い長い愛を描いた小説には村上春樹の1Q84があるが、「コレラの時代の愛」のその愛はより複合的で、控えめである。主人公の男女のパーツははっきり分断されておらず、時間も激しく前後して、リアルなところとアンリアルなところの境界線もあいまいで、「読みにくい」。その読みにくさが重厚なガルシア=マルケスの美しい文章を生んでおり、それが長い長い美しい愛を描いている。1Q84も素敵な小説だったが、同じ男女の愛がテーマの本書も、それにコレスポンドする形で、すばらしい傑作だと僕は思う。文章の美しさにも、登場人物のひたむきな愛情にも胸を打たれるのである。
そんなわけでしばらく小説が読めなかった。ようやく手に取った本が本書で本当によかったと心から思っている。
この小説は19世紀のリアリズム手法を使った「総合小説」といえる。テーマは50年以上にもおよぶ一貫した男女の愛である。「百年の孤独」のようなマジカルな要素は露骨には表れないが、19世紀から20世紀にかけてのコロンビアの50年以上の男女の愛というだけで奇跡的だ。そこにはマジカルな要素が潜んでいる。リアルな文体とアンリアルなコンテンツが見事に編み上げられている。
男女の長い長い愛を描いた小説には村上春樹の1Q84があるが、「コレラの時代の愛」のその愛はより複合的で、控えめである。主人公の男女のパーツははっきり分断されておらず、時間も激しく前後して、リアルなところとアンリアルなところの境界線もあいまいで、「読みにくい」。その読みにくさが重厚なガルシア=マルケスの美しい文章を生んでおり、それが長い長い美しい愛を描いている。1Q84も素敵な小説だったが、同じ男女の愛がテーマの本書も、それにコレスポンドする形で、すばらしい傑作だと僕は思う。文章の美しさにも、登場人物のひたむきな愛情にも胸を打たれるのである。
先生 こんにちは。
相変わらずご多忙のご様子ですね。
どうぞ体調を崩されませんように。
さて、わたくし 引っ越しまで
あと1ヶ月という時期ですが、読みたいという誘惑に駆られ
『ケニアのスラムで高血圧を治さない—類化性能と別化性能』を とうとう注文してしまいました。
楽しみです。
『19世紀的総合小説、21世紀的恋愛小説、20世紀の巨大な「コレラの時代の愛」』も、
いつか読んでみたいと思います。
先日みた映画、『英国王のスピーチ』も様々な見方があるとは思いますが、「友情」もさることながら、王を支えようと努力していた妻の「夫婦愛」も感じました。私のような映画 ど素人 がいうのも何ですが、さすがアカデミー賞作品賞をとるだけの名作だなと思いました。もうすでにご覧になっているかもしれませんが、気持ちも 少し暖まるようで なかなかのおすすめです。
投稿情報: Akeminnko | 2011/04/26 21:04