出版社から献本いただく。感謝します。
落ち込んでいる。僕はデヴィッドソンスケール50点の(後述)ヘタレなので、極めて落ち込みやすい。訳の分からない人に何を言われても痛痒を感じないが、訳の分かる人に叱られるとかなり尾を引く。
というわけで(どういうわけ?)、斎藤先生の近著である。
「社会的うつ病」という近年多いマイルドな、しかし難治性のうつ病を基軸に、社会と病との関係性を論じた一冊。斎藤先生の本は「生き延びるためのラカン」以来。
思いつくままにメモを
・社会の「心理学化」ーー>脳科学化の問題。
あるセオリーで社会を全て説明することの息苦しさ。
・操作主義の問題。自律の欠如。いずれ操作されることが快適になってくる。
・薬漬けは問題だが、うつ病治療の基本や薬物治療
・心の強さは簡単には決められない。
・逆境を上手く乗り切るレジリアンスの能力。デヴィッドソンのスケールだと、一般人は平均80点、うつ病の人は60点以下。僕は50点だった(!)。
・民間療法も、プラセボ療法も、治れば良い。
・母親の基本的信頼感は大事。これが欠如し、自己愛性人格障害になることも。ただし、セオリーにあまりにどっぷりつかってもだめで、話半分くらいに。
・適度の欲求不満が人の成長を促す。
・孤独で才能が開花するのは、「美談」であって一般化できない。人は通常は孤独がネガティブに作用する。
・日本人は世界でも社会的孤立の度合いが強い。
・ネットでは孤独は避けられない。ネトゲ廃人のリスク。
・自己愛は科学の対象ではない。
・ブリーフセラピー
うまくいっていることは続ける。
うまくいかないなら、やり方を変える
かつてうまくいったことをもう一度やってみる。
・境界型人格障害者は孤独が極めて苦手 誰の心にも境界型人格障害は住んでいる。
・境界型は、判断の基準が「黒か白か」しか知らない。つまり未熟。
・自己啓発にはご用心。誰でも変われるといいながら、失敗しても自己責任というのは問題。
・人間が変わるのに最も意味がないのは「決意を新たにすること」
とまあ、ランダムに気になったところをメモってみたが、昨今のうつ病とその周辺を描写し、社会論にもなっているように見える。社会の変容が精神疾患の様相を変じていくという説明はとても理解しやすい。今の世の中の危うい部分が「社会的うつ」、発達障害(アスペルガー含む)、人格障害などいろいろな様相に影響を与えていく。身体性への言及は内田樹さんとシンクロする(ラカンだから?)。あと、音楽療法のところが興味深かった。今後どういう展開を見せていくか、楽しみ。
落ち込んでいる。僕はデヴィッドソンスケール50点の(後述)ヘタレなので、極めて落ち込みやすい。訳の分からない人に何を言われても痛痒を感じないが、訳の分かる人に叱られるとかなり尾を引く。
というわけで(どういうわけ?)、斎藤先生の近著である。
「社会的うつ病」という近年多いマイルドな、しかし難治性のうつ病を基軸に、社会と病との関係性を論じた一冊。斎藤先生の本は「生き延びるためのラカン」以来。
思いつくままにメモを
・社会の「心理学化」ーー>脳科学化の問題。
あるセオリーで社会を全て説明することの息苦しさ。
・操作主義の問題。自律の欠如。いずれ操作されることが快適になってくる。
・薬漬けは問題だが、うつ病治療の基本や薬物治療
・心の強さは簡単には決められない。
・逆境を上手く乗り切るレジリアンスの能力。デヴィッドソンのスケールだと、一般人は平均80点、うつ病の人は60点以下。僕は50点だった(!)。
・民間療法も、プラセボ療法も、治れば良い。
・母親の基本的信頼感は大事。これが欠如し、自己愛性人格障害になることも。ただし、セオリーにあまりにどっぷりつかってもだめで、話半分くらいに。
・適度の欲求不満が人の成長を促す。
・孤独で才能が開花するのは、「美談」であって一般化できない。人は通常は孤独がネガティブに作用する。
・日本人は世界でも社会的孤立の度合いが強い。
・ネットでは孤独は避けられない。ネトゲ廃人のリスク。
・自己愛は科学の対象ではない。
・ブリーフセラピー
うまくいっていることは続ける。
うまくいかないなら、やり方を変える
かつてうまくいったことをもう一度やってみる。
・境界型人格障害者は孤独が極めて苦手 誰の心にも境界型人格障害は住んでいる。
・境界型は、判断の基準が「黒か白か」しか知らない。つまり未熟。
・自己啓発にはご用心。誰でも変われるといいながら、失敗しても自己責任というのは問題。
・人間が変わるのに最も意味がないのは「決意を新たにすること」
とまあ、ランダムに気になったところをメモってみたが、昨今のうつ病とその周辺を描写し、社会論にもなっているように見える。社会の変容が精神疾患の様相を変じていくという説明はとても理解しやすい。今の世の中の危うい部分が「社会的うつ」、発達障害(アスペルガー含む)、人格障害などいろいろな様相に影響を与えていく。身体性への言及は内田樹さんとシンクロする(ラカンだから?)。あと、音楽療法のところが興味深かった。今後どういう展開を見せていくか、楽しみ。
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