全然気がついていなかったのだが、2010年のケアネットDVD年間ランキング1位であったことを教えていただいた。
うーん、とてもありがたいことです。
僕の場合、何か新しい治療法や病原体を発見したわけでもない。「誰もがやっていない」カッティングエッジなことは何一つしていない。大学教員の古典的な価値観で言うと、全く無価値な人間である。どっちかというとコンセプトとしては小学校の先生に近い。内容も言わば「陳腐」で、レクチャーでも、「診断はちゃんとつけよう」みたいな「当たり前」のことしか言っていない。
ただ、このDVDがでた頃は、外で講演をするたびに「先生のアイデアはユニークだ」とか「目からウロコだ」とか言われて困惑していた。大学病院とかに話に行くと「奇抜だ」とすら言われた。普通にやりましょうというののどこが奇抜なんだか。ようやく最近はそういう「変なコメント」をあまりされなくなった。ここ数年の感染症診療環境の進歩を考えると、隔世の感がある。
少しだけ矜恃めいたことを申し上げれば、「当たり前の」ことを、小学校の先生みたいにしゃべっているだけなのだが、よく聞いていただければ「深い」意味もこめられていなくもない(たぶん)。村上春樹はインタビューの中で、自分の小説は、ページターナーでどんどん先を読みたくなるような作りをしている、ただし、読み返してみればそこに気がつく人は気がつくものもこめられている、、という意味のことを話していた。村上春樹なんて引き合いに出して僭越至極だが、そういう「深い内容」は僕の話にも実は込められている。でも、うちの後期研修医なんて何百回もそういう話を聞かせてるのに、一向に気がつかない。これ、自己満足?
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