古人の跡を求めず、古人のもとめたるところをもとめよ
という芭蕉の言葉があるそうである。
ようやく日本にもこの言葉の意義が染み渡ってきたなと思う。
岩崎夏海の「もし高校野球の、、、」を読んだ。すごい本だ。ピーター・ドラッカーはこう言ってますよ、という月並みな解説書や引用書ではない。ドラッカーが「言いたかったこと」が本書にこめられ、それがメッセージになって著者自身の言葉となって表れている。表面的なアニメキャラや小説の筋など些末なところに気を取られていると、それが分からない。多分、すこし上の世代の「古人の跡を求める」ような学びしかない日本人には理解できない。たとえば、下の評者は本書の本質をまったく理解していない。本書は、ありがちな「こうやって生きれば成功する」というビジネス本とは全然異なる本だ。金持ちトーさんとかぞーさんとかと間違えてはいけないのだ。
http://book.asahi.com/aisare/TKY201002150249.html
古人の跡を求めず、の達人が内田樹さんだが、その内田さんがきちんと日本で評価されているのが今の時代だと思う。ようやく自分の言葉とは何か、分かってきたのである。感染症の世界でも「CDCではこう言っている」的な模倣の時代をようやく乗り越えつつある。CDCは何をしたいのか、その意図や真意を斟酌できるICNが少しずつだが増えつつある。少しずつではあるが、成熟してきているのである。
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