当たり前だが、サッカーとは実に相対的なスポーツだ。
韓国を相手にあれだけ自由奔放に攻撃サッカーを見せつけたアルゼンチンだが、ドイツには全然通用しなかった。そのアルゼンチンやイングランドを手玉にとったドイツのパスサッカーはスペイン相手では実にもっさりとしているように見えた。タッチ数が少ないように見えたドイツでもスペイン選手に比べると数タッチ多い。まあ、じゃんけんと一緒で相性もあるから、一意的にスペイン>ドイツ>アルゼンチン>韓国とはいかないのかもしれないけれど。
それ以上に素晴らしかったのは、スペインの守備力だ。相手からファウルをせずにボールをとるのが実に上手い。空中戦も強い。マークの受け渡しも素晴らしい。バルセロナからリオネル・メッシを引いたみたい、と揶揄されるスペイン代表だが、守備に関してはバルサよりずっとよいと思う。そのため、ドイツはエジル以外、ほとんど実力を見せられなかったのではないか。チャンスっぽいチャンスも一回くらいしかなかった。まあ前半は引いて守っていたせいもあるんだけれど。
ただ、スペインはフィニッシュがもう一つだ。なんであんなに枠に入らないんだろ。決定力で言うと、オランダのほうがずっと上だ。
オランダとしては、ドイツ相手に敵をとりたかったかもしれないが、まあ素晴らしい決勝のカードとなった。振り返ってみると、全体的には、この南アフリカ大会は実に良い大会になっている。それにしても決勝はどちらが勝ってもクライフの勝利ってことか。
ウベ・ゼーラー、ゲルト・ミュラー、フランツ・ベッケンバウアー、オベラーツ(エジル見てると思い出すなあ)、ネッツアー、ベルント・シュスター、ルムネニゲ、リトバルスキ、ブッフバルト、メラー、ザマー、マリオ・バスラー、トーマス・ヘスラー、、、、好きな選手の多いドイツだが、どうもチームとしては好感がもてない。my favorite teamを次々と粉砕しているせいもあるだろう。70年のイングランドは良い試合だったからいいとして、あとは74年のオランダ。82,86のフランス。90年のアルゼンチン、イングランド。2010年のイングランド、アルゼンチンとイヤーな試合ばかりだ。アルゼンチン、イングランド、オランダが好きなファンにどうしてドイツが好きになれようか???
あと、どうしてもドイツ代表にはチャームがない。魅力があったのは70年、72年のチームくらいで、あとは全然引きつけられない。マテウスとかカーンとか見ていても全然惹かれない。まあ単なる好みの問題だが。
でも今年のドイツはチャームがあった。カサブランカやMにでていたピーター・ローレだっけ?そんな名前の俳優そっくりだ。エジルの目とか見ているとそう思う。でも、今年のドイツにはそういった「いやらしさ」がなかった。上手くて速くて爽快だったが、そういう意味では何が何でも勝っちゃうドイツらしさはなかったのかも。
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