ショックの患者を診ていてばたばたしている間に、東京から電話、、で慌てて夜の会議に。
ふがが、昨日の会議がもうアップされている。しかも要約なしで、詳細に、、、、ロハス、恐るべし、、、うかつなことはいえません。
でも、こういう報道はへんな要約やねじ曲げを避ける意味でとてもよい報道の仕方かもしれません。僕が新聞から離れていっている理由もここにあります。インターネットに紙面スペースの制約はない。ここに曲解、ねじ曲げの言い訳が入る余地が無くなる。
僕の反省としては、まず医療従事者100万人、というデータが出たとき、「それはどういう根拠か?」と問いたださなかったこと。ここは甘かったです。もうひとつ、10mlのバイアルの話が出たとき即座に反対すべきでしたが、これに回答するのにもタイムラグがあり、厚労省への疑義が遅れました。猛省しています。たくさんの議論がばーっと出る中で、個々の議題にきちっと突っ込みを入れるセンスと能力とガッツが必要なのですが、それが足りなかったのです。
これまで、絶対に、絶対に、絶対に謝罪をしなかった厚労省ですが、足立政務官が会議の冒頭で情報の混乱について謝罪したのは英断でした。足立政務官=厚労省ではないにしても、立派な判断だったと思います。このことだけでも、あきらかに世の中は前進しており、政権交代とはこういうことだったのか、と得心する次第。
学生時代にほとんどあこがれのヒーローだった尾身先生たちと対立構造を築くことが本意なのではありません。今でもすごく尊敬してますし、「たたき」の構造に組み込まれてしまうのは僕としてはとても不本意です。もちろん。厚労省とも対立構造を築きたいわけでもありません。むしろ、信頼し合うプロとして、だからこそ忌憚のない意見を交換したいだけです。フランス人はイギリス人を「食べ物に関して全く無関心」と揶揄し、イギリス人はフランス人を「朝飯を食べているときに昼飯の献立を考えている奴ら」と返します。仲がいいから、こういうことを広言できるのです。なんとならば、日本の隣国に、このような発言をしたら大問題でしょ?本質的に仲がよくないから、牽制しあって口をつぐむしかなくなるのです。
会議の後で、厚労省の方とこのような会話をしました。これがほとんど、要約です。
「厚労省ががちがちルールを作らず、オプションを用意すべき、現場で決めるべき、と岩田はいうが、それは丸投げだと現場から文句が来る」
「選択肢があり、情報が開示されれば現場で決める方がベター。現場のことを厚労省に決めてくれ、とだだをこねるのはプロの医師として、あるいはプロの行政官として恥ずかしい態度です。現場は、甘えてはいけない。千葉県のように厚労省の指示がないと一歩も動けないような、幼児的な態度は困る。プロならプライドを持って仕事をすべきです。厚労省は、これまでのように情報を隠蔽することなく、全部開示して欲しい。あとは患者と医師が現場で決めればよいこと。日本の医師も成長しなくてはならない。おかみがルールを作って全部指示してくれ、というのはプロではないのです。裁判で訴えられると怖いから、厚労省のガイドライン通りに医療、というのも恥ずかしい。我々は現状に合わせてルールを作るのではなく、未来のあるべき姿を見据えて議論をすべきです。厚労省はそのような矜恃あるプロの足を引っ張るのではなく、支援をするのが大事なのです」
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