Clinical practice guideline for evaluation of fever and infection in older adult residents of long-term care facilities. 2008 update by the Infectious Diseases Society of America. CID 2009;48:149-71
ワークアップに特化したガイドラインで、まあ、あまりぱっとしません。治療のガイドラインはローカルファクターが強すぎて書けなかったのでしょうか、、、
・長期療養施設の住人は感染症のリスクにさらされている。高齢、数々の基礎疾患が問題である。
・このような住人では、重症感染症でも発熱は半分以下でしか見られない。
・急性期病院のように施設・インフラにも恵まれていない。
・今回は、2000年ガイドラインの改訂版。
・2030人には米国の20%が65歳以上に。3000万人以上が長期療養を必要とする。
・現状では、16000以上のナーシング・ホーム(かそれに準ずる施設)があり、住民数は150万人。
・ナース主体で、地域のプライベート・ドクターが支援している。
・多いのは、尿路感染、肺炎、軟部組織感染症、胃腸炎、異物関連感染。
・肺炎、尿路感染はだいたい1/1000・日。肺炎は市中の10倍
・耐性菌も多い。
・症状は分かりにくい。意識障害や「いつもと違う」も大事。発熱は、ベースラインからの逸脱や持続する微熱も発熱と認識する。
・ナース・アシスタント(CNA)は問題点を最初認識する人物であるが、研究によると間違って認識することも多い。
・ワークアップは、バイタルサインをチェックし(呼吸数含む)、水バランス、意識状態、口腔内/咽頭、結膜、皮膚(陰部なども含む)、胸腹部、異物。
・検査は可能なら、検査。
・CBCはやろう(根拠は?)
・尿検、尿培養も。症状なければOK。
・血液検査はルーチンではすすめられない。あきらかに菌血症を疑えば、やる(やってはいけない、と言う意味ではない)。
・肺炎を疑ったら適宜酸素飽和度とレントゲンを考慮
・ウイルス感染を疑ったら、気道をワークアップ。
・SSTIでのスワブはやらない。骨髄炎を疑ったらMRIがベター、骨生検がベスト。
・他にもいろいろ検査の推奨はあるが、常識範囲内。
・7日以内の下痢は、ワークアップ不要。水の管理のみ。
・重症の発熱を伴う腸炎であれば偽膜性腸炎を考えワークアップ。やはり腸炎で、抗菌薬曝露がないとかCDトキシン陰性なら、便培養を考える。
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