東京で慢性期医療における感染症の話をしました。往復中に読んだ本。
両方、同著者による本。
現状の価値観に異議を唱え、価値の揺さぶりを試みる部分は面白いと思いました。何かが正当性を決めつけて管理するのはおかしい、という意見も説得力がありました。が、あまりにもルサンチマンが強すぎて議論が飛んでいるなあ、とも思いました。権力、差別、体制側といった使い古された(手垢のついた)ことばへのルサンチマンが議論を雑にしているかな。
生物、生命、死といった概念についても「正しい」「正しくない」「間違っている」「許せない」という恣意的なキーワードでばっさりやっているので、議論もそこで止まっている。結局、価値を決めつけるのはおかしい、と主張している一方で別の価値観の決めつけが行われてしまっている。
根源的に突き詰めて謎解きにとりかかった、というより「俺の主張」が先にあって、その後付的な議論がされているからなのでしょうか。ちょっと点が辛いですが、それは僕が価値判断の相対化にこだわっているせいで、断定的な議論に苦手意識を持っているせいかもしれません。読者が本を作ってしまう部分はありますね。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。