スペイン風邪の話をしたので、そのときのフランス首相、クレマンソーの言葉
A man who has to be convinced before he acts is not a man of action. You must act as you breathe.
納得しなければ行動できない人は、行動力のある人ではない
呼吸をするように行動すべきだ。
スペイン風邪の話をしたので、そのときのフランス首相、クレマンソーの言葉
A man who has to be convinced before he acts is not a man of action. You must act as you breathe.
納得しなければ行動できない人は、行動力のある人ではない
呼吸をするように行動すべきだ。
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UpToDateでもすでにまとめが出ています。さすがに、早い。
Epidemiology, clinical manifestations, and diagnosis of swine H1N1 influenza A
Treatment and prevention of swine H1N1 influenza A
Patient information: Influenza symptoms and treatment
一番最後のは患者さん用です。アクセスのある方は、どうぞ。おそらく数週のうちにメジャーなジャーナルでもreviewが出ることでしょう。
投稿情報: 09:36 カテゴリー: 感染症 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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・まず、毎日の診療を大切にしてください。呼吸器症状の有無を確認し、ないときに安易に「上気道炎」と診断せず、旅行歴、シックコンタクト、動物暴露歴など問診を充分に聴取してください。患者さんが言わない、ということはその事実がない、という意味ではありません。せきをしていますか?と聞かなければ、せきをしているとは言わないかも知れません。原因不明の発熱であれば、必ず血液培養を検討してください。バイタルサインを大切にしてください。バイタルサインの重要度は重要な順番に、血圧、脈拍、呼吸数、(第五のバイタル)酸素飽和度、そして、体温です。極端な低体温などはまずいですが、発熱患者で大切なのは体温「以外」のバイタルサインと意識状態であることは認識してください。発症のオンセット、潜伏期など、時間の感覚には鋭敏になってください。要するに、ブタインフルエンザ診療のポイントは普段の診療の延長線上にしかありません。ほとんど特別なものはないことを理解してください。上記の診療は診療所、大学病院、どこのセッティングでも可能です。大抵の感染症診療は、大抵のセッティングで可能なのです。
・自分の身を護ってください。とくに初診患者では外科用マスクの着用をお奨めします。患者の診察前とあとで、ちゃんと手を洗っていますか。呼吸器検体を採取するなら採痰ブースが理想的ですが、理想的な環境がないからといって嘆く必要は少しもありません。「うちには○○がない」と何百万遍となえても嘆いても、物事は一つも前に進みません。「うちには○○がないので、代わりに何が出来るだろう」と考えてください。考えても思いつかなかったら、そこで思考停止に陥るのではなく、分かっていそうな上の先生に相談してください。いつだって相談することは大切なのです。診察室で痰を採取するなら、部屋の外に出て患者さんだけにしてあげるのもいいかもしれません。日常診療でも、とくに女性の患者は人前で痰なんて出せないものです。呼吸器検体を扱うとき、気管内挿管時などはゴーグル、マスク(できればN95)、ガウン、手袋が必要です。採血時やラインを取るときも手袋をしたほうがよいでしょう。こういうことは豚インフルに関わらず、ほとんどすべての患者さんに通用する策に過ぎません。繰り返しますが、日常診療をまっとうにやることが最強の豚インフル対策です。
・あなたが不安に思っているときは、それ以上に周りはもっと不安かも知れません。自分の不安は5秒間だけ棚上げにして、まずは周りの不安に対応してあげてください。豚インフルのリスクは、少なくとも僕たちが今知っている限り、かつて遭遇した感染症のリスクをむちゃくちゃに逸脱しているわけではありません。北京にいたときは、在住日本人がSARSのリスクにおののいてパニックに陥りましたが、実際にはそれよりもはるかに死亡者の多かった交通事故には全く無頓着でした。ぼくたちはリスクをまっとうに見つめる訓練を受けておらず、しばしばリスクを歪めて捕らえてしまいます。普段の診療をちゃんとやっているのなら、豚インフルのリスクに不安を感じるのはいいとしても、パニックになる必要はありません。
・今分かっていることでベストを尽くしてください。分からないことはたくさんあります。なぜメキシコ?なぜメキシコでは死亡率が高いの?これからパンデミックになるの?分かりません。今、世界のどの専門家に訊いても分かりません。時間と気分に余裕のあるときにはこのような疑問に思考をめぐらせるのも楽しい知的遊戯ですが、現場でどがちゃかしているときは、時間の無駄以外の何者でもありません。知者と愚者を分けるのは、知識の多寡ではなく、自分が知らないこと、現時点ではわかり得ないこととそうでないものを峻別できるか否かにかかっています。そして、分からないことには素直に「分かりません」というのが誠実でまっとうな回答なのです。
・情報は一所懸命収集してください。でも、情報には「中腰」で対峙しましょう。炭疽菌事件では、米国CDCが「過去のデータ」を参照して郵便局員に「封をした郵便物から炭疽感染はない。いつもどおり仕事をしなさい」と言いました。それは間違いで、郵便局員の患者・死者がでてしまいました。未曾有の出来事では、過去のデータは参考になりますが、すがりつくほどの価値はありません。「最新の」情報の多くはガセネタです。ガセネタだったことにむかつくのではなく、こういうときはガセネタが出やすいものである、と腹をくくってしまうのが一番です。他者を変えるのと、自分が変わるのでは、後者が圧倒的にらくちんです。
・自らの不安を否定する必要はありません。臆病なこともOKです。ぼくが北京で発熱患者を診療するとき、本当はこわくてこわくて嫌で嫌で仕方がありませんでした。危険に対してなんのためらいもなく飛び込んでいくのは、ノミが人を咬みに行くような蛮行で、それを「勇気」とは呼びません。勇気とは恐怖を認識しつつ、その恐怖に震えおののきながら、それでも歯を食いしばってリスクと対峙する態度を言います。従って勇気とは臆病者特有の属性で、リスクフリーの強者は、定義からして勇気を持ち得ません。
・チームを大切にしてください。チーム医療とは、ただ集団で仕事をすることではありません。今の自分がチームの中でどのような立ち位置にあるのか考えてみてください。自分がチームに何が出来るか、考えてください。考えて分からなければ、チームリーダーに訊くのが大切です。自分が自分が、ではなく、チームのために自分がどこまで役に立てるか考えてください。タミフルをだれにどのくらい処方するかは、その施設でちゃんと決めておきましょう。「俺だけに適用されるルール」を作らないことがチーム医療では大切です。我を抑えて、チームのためにこころを尽くせば、チームのみんなもあなたのためにこころを尽くしてくれます。あなたに求められているのは、不眠不休でぶっ倒れるまで働き続ける勇者になることではなく、適度に休養を取って「ぶったおれない」ことなのです。それをチームは望んでいるのです。
・ぼくは、大切な研修医の皆さんが安全に確実に着実に、この問題を乗り越えてくれることを、こころから祈っています。
2009年4月28日 神戸大学感染症内科 岩田健太郎
投稿情報: 07:42 カテゴリー: 感染症 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (14)
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リンクを追加しました。研修医時代お世話になった先輩がやっています。
http://blog.livedoor.jp/garjyusaiga/
感染症学会、青木先生、藤本先生、大野先生のセッション、すごい人でした。この3人で人が呼べるというのはいろいろな意味で、この学会の成長を感じます。
投稿情報: 21:21 カテゴリー: 感染症 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (1)
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なんといっても大学病院のいいところは学生教育が出来ること。
4年生の診断学の講義で使ったネタ。オンセットと時間経過から疾患概念を導き出し、痛みのアプローチから診断に迫る、、、というのが目的。ただ、確定診断はあまりに難しすぎてピンとこなかったみたい、、、
こっちはDr.Mの出したネタ。ローテートしている5年生と6年生にはぴったりだったみたいでした。神戸大の学生のレベルなら、MGHくらいは全然問題なく使えることが分かりました。
投稿情報: 09:56 カテゴリー: 感染症 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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クラビット(レボフロキサシン)は、世界で最も汎用されている抗菌薬の一つです。
127カ国で使われているこの抗菌薬、濃度依存性のため、通常は1日1回投与です。しかし、これの分割投与の適用、1日3回投与などと添付文書で書かれているまれな国が、日本です。
今年、やっと日本でも1日1回投与が可能になるようです。124番目の国だそうです、とMRさんから説明を受けたので、「残りの国はどことどことどこですか」と質問したら、これは台湾、中国、韓国の3カ国だそう。でも、よく聞いてみたら、この3カ国でもすでに1日1回投与も添付文書に載っており、1日3回と併用しているのだそうです。日本は実は、127カ国中、ビリなのでした。
投稿情報: 08:25 カテゴリー: 感染症 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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日本脳炎ワクチンは入手が難しいです。最近、米国でも新しい世代のものが発売になり、日本でも販売間近、という噂も聞きます。
日本では、3歳になったら2回接種、翌年追加接種なのですが、この3という数字に根拠はあまりないようです。
実は、日本脳炎ワクチンは1−3歳までに打てば、半量で行けるので、供給量が少ないことを考えると、1歳に打った方がよいのでは、と思います。供給量倍に。いかがでしょう。
投稿情報: 13:49 カテゴリー: 感染症 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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永遠の謎にも思えるHAART開始時期。NEJMの論文。オンラインで、でました。
http://content.nejm.org/cgi/content/full/NEJMoa0807252
Sax 先生のコメントも効いています。
http://content.nejm.org/cgi/content/full/NEJMe0902713v1
求められれば、出すか、、、、
投稿情報: 10:28 カテゴリー: 感染症 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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Clinical practice guideline for evaluation of fever and infection in older adult residents of long-term care facilities. 2008 update by the Infectious Diseases Society of America. CID 2009;48:149-71
ワークアップに特化したガイドラインで、まあ、あまりぱっとしません。治療のガイドラインはローカルファクターが強すぎて書けなかったのでしょうか、、、
・長期療養施設の住人は感染症のリスクにさらされている。高齢、数々の基礎疾患が問題である。
・このような住人では、重症感染症でも発熱は半分以下でしか見られない。
・急性期病院のように施設・インフラにも恵まれていない。
・今回は、2000年ガイドラインの改訂版。
・2030人には米国の20%が65歳以上に。3000万人以上が長期療養を必要とする。
・現状では、16000以上のナーシング・ホーム(かそれに準ずる施設)があり、住民数は150万人。
・ナース主体で、地域のプライベート・ドクターが支援している。
・多いのは、尿路感染、肺炎、軟部組織感染症、胃腸炎、異物関連感染。
・肺炎、尿路感染はだいたい1/1000・日。肺炎は市中の10倍
・耐性菌も多い。
・症状は分かりにくい。意識障害や「いつもと違う」も大事。発熱は、ベースラインからの逸脱や持続する微熱も発熱と認識する。
・ナース・アシスタント(CNA)は問題点を最初認識する人物であるが、研究によると間違って認識することも多い。
・ワークアップは、バイタルサインをチェックし(呼吸数含む)、水バランス、意識状態、口腔内/咽頭、結膜、皮膚(陰部なども含む)、胸腹部、異物。
・検査は可能なら、検査。
・CBCはやろう(根拠は?)
・尿検、尿培養も。症状なければOK。
・血液検査はルーチンではすすめられない。あきらかに菌血症を疑えば、やる(やってはいけない、と言う意味ではない)。
・肺炎を疑ったら適宜酸素飽和度とレントゲンを考慮
・ウイルス感染を疑ったら、気道をワークアップ。
・SSTIでのスワブはやらない。骨髄炎を疑ったらMRIがベター、骨生検がベスト。
・他にもいろいろ検査の推奨はあるが、常識範囲内。
・7日以内の下痢は、ワークアップ不要。水の管理のみ。
・重症の発熱を伴う腸炎であれば偽膜性腸炎を考えワークアップ。やはり腸炎で、抗菌薬曝露がないとかCDトキシン陰性なら、便培養を考える。
投稿情報: 18:06 カテゴリー: 感染症 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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最近、ガイドラインが多すぎて追っかけられません。
http://www.idsociety.org/content.aspx?id=9200#cand
カンジダのガイドライン。サマリーだけ読んで、とくに行動変容も起きなそうでした。でも、for 2 weeks after documented clearance of Candida from the blood-streamと書いてあってほっとしました(最後の陽性から数えて、、、って言葉的に変だと思っていたし)。あと、reasonable, attractiveという恣意性を込めた形容詞が多く使われていたのが印象的で、好感を持ちました。書き手のメッセージがはっきりしているガイドラインは、良いガイドラインの可能性が高いと思います。
http://www.journals.uchicago.edu/doi/full/10.1086/598513
インフルエンザのガイドライン、さらさらさらーーっと、たぶんl、行動変容はないな、と決めつけました。また機会があれば、読もう。
http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/rr58e324a1.htm
OIガイドライン。サイトメガロのところだけ、さらさらっと流し読み。欲しい情報については明記なし(IRISのステロイド量と、ガンシクロビルの副作用対策)。分からないものは、いつも分からないことが多いです。こういう部分はあまり気にしないのが健全な態度かと。
あとは偉大なるSax先生の仰せのママに、、、ついにCPEという呼称になったか、、、、これもやっかいです。
http://blogs.jwatch.org/hiv-id-observations/
投稿情報: 13:50 カテゴリー: 感染症 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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