頭頚部手術におけるSSIの適切な予防的抗菌薬投与の期間は?
・序論
今回XXX、SSIの予防について関心を持った。調べたところ、SSIの予防として予防的抗菌薬投与が用いられていることがわかり、今回は予防的抗菌薬投与の期間に的を絞って調査した。
・本論
一般に、SSIの予防的抗菌薬投与は手術期間を超えて継続される場合、24時間未満である必要があるという記載があり1)、それが頭頚部手術においても当てはまるのかが疑問に思い、調査した。この論文2)は1962年から2017年にかけて発表された頭頚部癌手術にSSIの微生物学、予防的抗菌薬投与に関する論文のシステマティック・レビューを行ったものである。結果として、各国の予防的抗菌薬投与の期間には大きなばらつきがあり、短期間(24時間~3日間)と長期間(4~7日を超える)に二分することができることがわかった。その中でも、5つのランダム化比較試験では、抗菌薬の1日間の投与と2日以上の投与でSSIの発症率を比較していた。そのうち3つの研究では両者に有意差はなく、1つの研究では後者の方がSSIの発症率が高かったが、1つの研究では前者の方がSSIの発症率が高かった。さらにいくつかの研究では、長期間の予防的抗菌薬投与がSSIの予防につながることを示すデータはなかった。全体として、ほとんどのデータは、術後24時間を超える長期の予防的抗菌薬投与の明確な利点を示していなかった。
・結論
24時間未満の予防的抗菌薬投与は、24時間以上の予防的抗菌薬投与と同じくらい効果的であり、不必要な抗生物質への曝露は避けるべきである。ただし、正確な最適治療期間は不明のままであるため、追加のランダム化比較試験が必要となる。
・参考文献
1)“Antimicrobial prophylaxis for prevention of surgical site infection in adults”, Deverick J Anderson et al.
UpToDate, Dec 18, 2019
https://www.uptodate.com/contents/antimicrobial-prophylaxis-for-prevention-of-surgical-site-infection-in-adults?search=SSI&source=search_result&selectedTitle=3~150&usage_type=default&display_rank=3
2)“Considerations for antibiotic prophylaxis in head and neck cancer surgery”, Michael P.Veve et al.
Oral Oncology, Volume 74, November 2017, Pages 181-187
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