S「D先生、今回ってる研修医がとても態度悪いんです?」
D「どうした?アロハシャツと短パンの上に白衣着てるのか?」
S「それじゃ、態度というか、ほとんど変態ですよ」
D「一度やってみたいんだけどな、短パンの上に白衣」
S「逮捕されるからやめてくださいね。そうじゃなくて、聴診器です」
D「聴診器?陰部に巻きつけてるのか?」
S「この連載は暴言たっぷりですけど、そのへんの節度は守ってきたはずですよ」
D「人生守りに入っちゃ、だめだ。壁はぶち壊すためにある」
S「なんのこっちゃ。そうじゃなくて、聴診器を首にかけてるんです」
D「それのどこがいけないんだ?俺もそうしてるぞ」
S「そういえば!先生、病院では聴診器首にかけるのは禁止されてるんですよ」
D「どうして?」
S「どうしてって、、、診察中に首から落とすと患者さんに危険だし、感染対策上問題だからです!」
D「医者になってずいぶんになるけど、まだ聴診器を患者に落としたことはない。それに聴診器を首にかけるとどうして感染対策上問題なんだ?」
S「不潔じゃないですか」
D「なにが?」
S「D先生の首」
D「喧嘩売っとんのか、おんどりゃ」
S「D先生、そんなことも知らないんですか?聴診器はたくさんの菌で汚染されてるんですよ」
D「それは知ってる。しかし、首にかけたからといってその汚染がなくなるわけじゃない」
S「ちゃんと白衣のポケットに入れとかないと、、」
D「そもそも俺は白衣は着ない。いつもスクラブだ。ちゃんと毎日洗濯してるから、ときどきクリーニングに出す白衣よりもずっと清潔だ。それに聴診器が菌で汚染されていようが、俺の首に菌が定着していようが、そんなことは関係ない。おれは自分の首で患者を診察しないし、聴診器のチューブでも診察しない。膜やベルは使用のたびにアルコールで消毒している。そこまでやってない医者のほうが多いんじゃないか?」
S「でた、ロジカルモンスター。でも、医療機能評価機構に叱られますよ」
D「あいつら、サイエンスを全然理解してないんだ」
S「この業界から干されますよ」
D「この話はフィクションで、俺は架空の存在だから、関係ないんだもーん」
第43回「自分の価値観と普遍的な価値を区別しよう」その1 終わり
続く。
この物語はフィクションであり、DとSも架空の指導医です。
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