著者献本感謝です。
本書は、阪神淡路大震災の「揺れた」体験に、東日本大震災の体験がシンクロされたアンソロジーである。著者たちは臨床心理を中心とした学者たちである。しかし、我々はその筆致が非常にエモーショナルで、「いわゆる」学者らしくないことにすぐに気がつくだろう。心理学者であれ、地震学者であれ、原子力の専門家であれ、あるいはぼくらであれ、誰もが冷静ではいられなかったのであろう、とうてい。
その環状の吐露は、あるいは学術的には批判の対象になるのかもしれない。しかし、それも「コミ」にして、同時代的な本書なのであり、それ以外には表現のしようがなかったのであろうと思う。そういう意味でも、「揺れるたましい」の物語なのだろう。
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