いきなりあとがきから紹介です。
あとがき
いろいろな疑問が湧いてくると思います。なぜ、ワタルさんの彼氏はいなくなったのか?なぜエイズなのか?そもそもなぜ絵本なのか?けれども、絵本は絵本 の内容だけが表現の場だと思っています。その解釈のされ方は各人各様でしょうが、いくつもの解釈があってもよいのだと思います。でも、ひとつだけ。ワタル さんは最後に生魚を食べ、白い薬を飲まなくなります。これは治療がうまくいって、エイズで落ちた免疫能力が回復して、感染症の予防のために飲まなければな らなかった薬(白い薬)が不要になったのですね。けれども、HIVを抑える薬は飲み続けなければ再発してしまいます(黄色い薬と、青い薬)。
今回もすてきな絵を土井由紀子さんに描いていただきました。感謝、感謝です。絵本でしか伝えられないことを、絵本で伝えることができたら嬉しいです。
■ 岩田健太郎 ■
エイズという病気をもつ人々を診察してこられた岩田健太郎氏が、1人の男性がエイズを抱えながらも、〝ふつうに働き、ふつうに暮らしている〟日常を記し た文章。これを最初に読んだ時、私には、〝ふつうの暮らし〟そのことが驚きでした。そして、今では〝予防薬をのまなくてもよい〟ということが起こりうると いうことにも。私には不確かな知識と思い込みがあったからです。
この絵本が、この病気を抱える方の普段の暮らしを知ることへ、一歩近づく助けになりますように。
手にとってくださって、本当にありがとうございました。
■ 土井由紀子 ■
コメント
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