日本を離れている間も、日本は同じ日本ではない。いろいろなことが起きる。
時差ぼけぼけ時間や移動時間を活用して「カチンの森」(みすず)を読んだ。絶句である。戦争で大量の人間をいとも簡単に殺すことも絶句なら、ナチスと当時のソ連の2つの全体主義の「近さ」がもたらす悲劇も絶句なら、それを見ていてずっと知らん顔をしていたイギリスとアメリカ、そしてゴルバチョフにも絶句である。チャーチルもルーズベルトもゴルバチョフも優秀な政治家だったかもしれないが、決して理想の政治家ではなく、ましてや尊敬に値する政治家では決してない。そこには政治のロジックはあるが正義のロジックは皆無である。
もうひとつ読んでいるのが「京都の平熱」講談社で、こちらは最近はまっている鷲田さんの本で、京都の街を歩くとさらに面白さ倍増である。
カチンの森――ポーランド指導階級の抹殺
カチンの森――ポーランド指導階級の抹殺
著者:ヴィクトル・ザスラフスキー | |
京都の平熱 哲学者の都市案内
京都の平熱 哲学者の都市案内
著者:鷲田 清一 | |
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