日本人は必ずしも換骨奪胎は苦手ではないと思います。
手塚治虫がディズニーをモチーフに多くのストーリーマンガを作ったのは有名な話ですし、その手塚がバックボーンになって多くの優れた漫画家が育っている。浦沢直樹のような存在すら生まれており、PLUTOは象徴的な産物となりました。
村上春樹もカーヴァー、チャンドラー、フィッツジェラルドなどのアメリカ作家の翻訳から自らの小説のスタイルを紡ぎ出しています。その村上が世界各国で読まれている。1Q84は中国語圏にも輸出されたそうですが、ジョーと読む9とQをどのようにかけるんでしょう、と余計な心配をしています。
車にしてもオーディオにしてもそうですね。したがって、一部の教育界と感染症界において上手に換骨奪胎が行われていないのは、日本人論や日本文化とは何の関係もなく、単純にこれらの領域が未成熟だ、ということを示しています。食わず嫌いか、咀嚼なき誤嚥のどちらかに傾く場合が多いのです。よく噛んで、食べなきゃ。
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