週一回で、ハリソンの感染症の部分を一章読んでいます。これが存外面白い。
アメリカでも日本でも、ハリソンをくさす人はいます。医学知識の進歩がこれだけスピーディーになって、数年のタイムラグがある印刷された媒介である「本」というものに見切りを付けた発言かもしれません。ところがどっこい、多くの本がそうであるように、医学書もまた印刷媒介は必ずしも「無駄」ではないようです。
ハリソンのすばらしさは情報の新しさ、というよりも問題のエッセンスのまとめ方のうまさかと思います。特に素晴らしいのは洗練されたテーブルで、複雑に見える問題のポイントを上手に浮き彫りにして、概念をまとめ上げています。疾患概念の把握が弱い研修医は多く、キーワードばかりがでてくるのです。国家試験では満点が取れるのですが、患者ケアができないのです。ハリソンを読んでいると、今まで捉えていた疾患の概念を編み直して、よりすっきりした形で頭にしまい直す、という作業ができるのです。
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