期待して観た映画です。評論家の評価も上々みたいですが、、、
私としては、若干がっかりでした。アクション映画と割り切れば出来は良いのですが、、、
前作のカジノロワイヤルがアクションシーンの派手さと欧州の列車やカジノの優美さ、静けさをうまくミックスさせていたのが美しく、静かなシーンがアクションシーンを際だたせていたのですが、今回はやたらアクションが多すぎて落ち着きのない映画でした。これじゃまるでハリウッド映画だなあ。
ボンドの内面の苦悩を示すシーンもあったのですが、それがさらっと流されてひたすら殴り合い、、、もともとボンドは格闘技でもって最強の男ではなく、「ゴールドフィンガー」でも「ロシアより、、、」でも「ムーンレイカー」でも「リビングデイライツ」でも、腕力で勝る相手に知恵・ウィットで立ち向かっていったのでした。ひたすらケンカが強くてもねえ、、、全体的にシリアスすぎて、ときどきでてくるイギリス映画っぽいユーモアも空振り気味でした。
本当は監督はもっと長い映画を想定していたのを、観客動員を意識してカットした(させられた)のかなあ、、、と邪推もしたくなります。その場合は、DVDで完全版が出るのを待つしかないか、、ラストシーンもサプライズを期待していたのかも知れませんが、あまりに当たり前すぎて「やっぱり」という感じでした。カメラと音楽はよかったんだけどなあ、、、
静と動がうまくミックスした好例に「サンダーボルト作戦」があります。海底の静けさとアクションのスピードがよく混ざっています。まあ、昔の映画なので、特撮技術は今の目から見ると失笑ものですが、そこはご愛敬。
ここからはネタバレですが、冒頭のアストンマーティンとアルファロメオがイタリア・シエナでカーチェイスをするのは見物でした。どっちも好きな車だし。シエナという街がこんなに美しいと言うことも初めて知りました。ただ、でもここでもスピードと迫力だけで、ウィットがない、、、、
007シリーズで一番好きなカーチェイスシーンは「For your eyes only」にあります。そのシーンはあの伝説の「ルパン三世カリオストロの城」を参考にして作られた、、、という逸話を聞いたことがありますが、事の真偽は存じません。もちろんルパンのカーチェイスシーンは映画史上に残る傑作中の傑作ですから、未見の方はぜひどうぞ。
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