大学に異動して7ヶ月。論文の読み方とかずっと教えていて、ようやくまっとうなジャーナルクラブができるようになってきました。耳鼻科の先生が来てくれて、こちらも勉強になっています。やはり他業種のコミュニケーションは大切みたいです。
本日のお題は
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine
2004 vol. 170 (5) pp. 561-6
DOTをやると予後が良いか、という後向き研究ですが、面白いのは、比較対象のテーブル1が全然違っている、という逆説。明らかに予後が悪そうな群をDOTに置いて、それでも予後が良かった、という論拠で攻めているアイディア賞。バイアスはないの?あるかもしれませんが、何か?形式論ではなく目的相関的に考えると、こういう論文はあり、という好例です。
Chest
2006 vol. 130 (6) pp. 1679-86
侵襲性A群溶連菌感染患者の予後規定因子を検討したもの。壊死性筋膜炎や菌血症はあまり予後とは関係なさそう。外科的処置も予後とは関連なさそうだが、壊死性筋膜炎だけで切っていないのが残念。IVIGを使うとICU退出が0.2日間早まる!すごい、やっぱ免疫グロブリンだ!なんてね。
Head Neck
2001 vol. 23 (6) pp. 447-55
生まれて初めてHead Neckという雑誌を読みました。head and neck cancerの術後感染は多い、という論文。
Chest
2000 vol. 117 (1) pp. 39-42
よく院内の熱の鑑別にPEがあがるが、PEの14%で熱が出ますよ、という論文。熱の高さは関係なさそう。
Biosecurity and bioterrorism : biodefense strategy, practice, and science
2008 vol. 6 (3) pp. 227-36
pandemic fluにまつわる倫理的な問題をまとめた労作。なかなか面白かったです。
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