ケース・メソッドが新しくなりました。我々も少し書いています。専門医試験の準備に、どうぞ。
IDATENサマーセミナーに参加してきました。相変わらずのすごい熱気でこちらもやる気をもらってきました。お世話になった福島の皆さん、ありがとうございました。
でも、勉強したくてもセミナーの倍率は高い。そこで、IDATENが市中感染の本を出しました。大曲先生、大野先生を始めIDATENの合作です。ぜひ、これで勉強してください。
まあ、そこまでがんばって勉強する来もないし、けど手っ取り早く要点だけ押さえたいというクールなあなたのために、こんな本を用意しました。
よかったらどうぞ。
投稿情報: 16:23 カテゴリー: 感染症 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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最近、海外のジャーナルから論文査読を頼まれることが増えてきました。今、2度目のレビューをやっている論文がありますが、すごく反省しています。三人の査読者のうち、僕がいちばん「いけていない」査読をしているからです。
論文の論旨全体をサマライズし、論文のstrong pointsをまとめ、それを出すに値するものかどうか総合評価し、その中で瑕疵を、とくに構造上の瑕疵を指摘します。そして、「こうすればもっとよいものになる、なぜなら」という論拠も明解になっています。今回のco-reviewers二人は(名前非公開ですが)それがよくできていて、とても勉強になりました。
それに引き替え、僕のは「ここのスペルが間違っています」みたいな、ちょっとぱっとしないコメントが多くて、全体として論文の核心部に対するコメントが少なく、他の2つのreviewの間でいかにもみすぼらしく見えたのでした、、、、、
我々の査読後(正確に言うと、僕以外のreviewersの査読のおかげで)、論文は見違えるように良くなっていました。理論武装がずっと強くなり、同じデータでも、構成と論理構造でここまでよくなるものか、と感心しました。
今、一本論文を準備しているところですが、査読作業そのものが自分の論文書きにポジティブに作用しているのが分かりました。良いトレーニングの機会を得て喜んでいます。
投稿情報: 14:21 カテゴリー: 感染症 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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プロの感染症コンサルタントと、感染症治療の「得意な」ドクターの違いは、コンサルテーションのスキルなどにも現れますが、一番の違いは知識の「質」と「幅」だと思います。
感染症治療が得意なドクターは、例えば、敗血症を瞬時に診断し、治療することができます。14日間の抗菌薬で患者を治療します。抗菌薬はこれこれを使います。治療成績もよく、彼(女)は優秀な診療医です。
しかし、これだけではプロの感染症屋とは呼べません。
プロの感染症屋は、「自分のプラクティス」が妥当でまっとうで正当なことを知っています。でも、それだけでは足りないのです。「自分がやっていないプラクティス」の妥当性、まっとうさ、正当性も評価できなくてはいけません。
「おれはいつもセプシスは14日間治療しているんだ。何でおまえ、7日間で抗菌薬を切ってしまうんだ、このバカ」
という指導医がいたら、感染症治療は得意でも、プロの感染症屋ではありません。ちゃんとガイドラインを見れば、敗血症の治療は7-10日が典型です。もちろん、14日が「間違っている」わけではありません。しかし、「自分のやり方」が正しく、「それ以外」が間違っている、という世界観にとらわれてしまうと、この「正しさの幅」が理解できなくなってしまいます。こんな人がコンサルタントになってしまうと、
「俺がやっていないことはみんな間違い」
というゆがんだ世界観にとらわれてしまうのです。
「俺だったらこうはしない。でも、これもまたオーセンティックなやり方」
とヴァリエーションを認める知識の深さと度量が要ります。浅はかな知識はプロにとってもっとも戒めるべき誤謬なのです。多くのコンサルタントが、「自分のプラクティスが正しい」ことと、「それ以外は間違っている」ことが同義ではない、ということに気づかず、要らないコンフリクトを生じ、そしてコンサルティーを批判します。
こうなると、consultではなく、insultになってしまうのです。
プロとアマチュアの差は深遠なものです。このあいだ、福井大学の寺澤先生にレクチャーの方法について指南を受けました。福井先生はすばらしくて、全ての講演に対してヴァリエーションの異なるレクチャースライドを用意されています。で、
「おお、そういえば亀田総合病院では3年前にレクチャーしていたな、これがそのスライドだ。今回は、ここは重複しても初期研修医は入れ替わっているからいいだろう。でも、全部同じだとリピーターは退屈するから、新しいスライドを入れよう」
と直します。全ての講演にオリジナルのスライドをいくつか入れ、その地や施設に敬意を払っています。
プロだ、、、
レクチャーの時間にも厳密です。特に複数のスピーカーがいるときは、時間延長は御法度です。寺澤先生は最後までスライドをこなさなくてもその時間できれいに終えることができるように、同じスライドでもいくつかの終わりのヴァリエーションも持っているのだそうです。
本当に、プロですね。
数年前、亀田総合病院が後期研修医のための1日セミナーというのを開いたことがあります。そのとき、たまたま偶然亀田を来訪していた某大学の某教授が、「俺にもしゃべらせろ」と割り込んできたことがありました。
「あれ?昨日しこんだアニメーションが上手く動かないな、これ、すごいアニメなのに、昨日は上手くいったのに、、、」
とぐだぐだすること数十分。寺澤先生のようにレクチャー上手な教授は希有で、たいていの教授の話はつまらない。つまらない話が長いくらい苦痛なことはないですが、その日がまさにそうでした。散々時間延長するものだから、後の話者は調整にとても苦労したものでした。
アマチュアは自分のしゃべりたいことを自分のしゃべりたいペースでしゃべります。プロは相手の聞きたいこと(あるいは聞くべきこと)を相手の心地よいペースでしゃべります。その差は小さいようでとても大きいのですが、ほとんどの大学の教授はそれに気がついていないように見えます。
スポーツの世界でも、音楽の世界でも、どこの世界でも、プロとアマチュアの差は圧倒的で、比較するのがばかばかしくなるくらい圧倒的です。感染症のプロになりたいと思っている若いドクターも、「自分が正しくできる」だけでは、ノンプロの感染症屋なのだ、と謙虚に精進することが大事です。実は、一見手が届きそうな山頂は全然まだ見えていないことが多いのです。
うわ、、説教くさ、、、と我ながら思います。もうおじさんです、、、、
投稿情報: 08:10 カテゴリー: 感染症 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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HAICS研究会主催のキャリアディベロップメント講座。1月は私もちょこっとお手伝いです。たくさんの方のご参加をお待ちしています。詳細はこちらまで。
投稿情報: 19:24 カテゴリー: 感染症 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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結核は勉強しても勉強しても、新しい知識が得られる奥がふかーい病気です。
こないだ、長崎大学で結核にステロイドを併用させるとしたら、心外膜炎、もしかしたら髄膜炎も、他では不要、という話をしたら、聴講されていたドクターから、いやいやそんなことはない、という反論をいただきました。
Corticosteroid treatment of peritoneal tuberculosis
まあ、この論文そのものはあまり決定的なものではないのですが、少なくとも、この論文のことを僕は知らなかったし、新しい考えるヒントを提供するものでした。レクチャーはまた、学びの場でもあります。聞き手からたくさんコメントがいただけるのはうれしいものです。昨日の自分より今日の自分が少しでも前進できるのも良いことだと思います。
投稿情報: 11:19 カテゴリー: 感染症 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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と自分に言いたくなることがあります。
僕は、プロベネシドのペニシリンへの併用は保険が効かないものだとばかり思っていました。そんなことはなく、ちゃんと効能に載っているのでした。
http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se39/se3942001.html
メーカーさんに調べてもらったら、ずっと昔からこの効能はあったのだそうです。本当に知らなかった。思い込みってとても怖いです。
投稿情報: 10:59 カテゴリー: 感染症 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (1)
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僕が考えたタイトルではありません。今月の日本医師会雑誌の特集タイトルです。すごいですね。
投稿情報: 08:18 カテゴリー: 感染症 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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